問題 産後腹痛・悪露不尽に用いる生薬はどれか。
1.麦芽
2.萊菔子
3.山査子
4.神曲
回答→3
【解説】

山査子の効能は、消食化積・活血散瘀である。山査子は油肉食積を治療する要薬で、神曲・麦芽などと配合すれば消食化積の力が強くなる。他にも活血散瘀の効能で、産後腹痛・悪露不尽及び疝気偏堕脹痛等の治療も可能である。
※悪露不尽ー胎盤が娩出された後は、子宮内の余分な血液や濁液が排出されるが、3週間以上経ってもだらだらと出続けているものをいう。
[その他]
山査子は呑酸・吐酸など胃酸過多の症状があるときには用いない方がよい。胃潰瘍にも用いない方がよい。
問題 痰涎壅盛による気喘咳嗽の治療も兼ねる消食薬はどれか。
1.萊菔子
2.谷麦
3.鶏内金
4.麦芽
回答→1
【解説】
萊菔子は大根の成熟種子である。萊菔子の効能は消食化積・降気化痰である。つまり気逆喘咳も兼ねる消食薬である。
例えば中気虚弱者の痰壅気滞証には三子養親湯(萊菔子・白芥子・紫蘇子)で治療する。

※ちなみに白芥子(化痰止咳平喘薬)はアブラナ科のシロガラシの種子を乾燥したもので、ホワイトマスタードの原料である。紫蘇子は紫蘇の種子である。
問題 澱粉類食物(米・小麦粉・芋など)の積滞不化の治療に最も優れているのはどれか。
1.神曲
2.谷麦
3.山査子
4.麦芽
回答→4
【解説】

麦芽の効能は消食和中・回乳である。とくに食積では、澱粉類食物(米・小麦粉・芋など)の積滞不化の治療に優れている。また麦芽には回乳(乳汁分泌を抑制すること)の効能もあり、婦人の断乳や乳汁お鬱積による乳房脹痛の治療に用いる。また現代の使用場面としては、催乳ホルモンであるプロラクチンの値が高くなり、妊娠しにくい者に用いる。ただし授乳期に用いてはならない。
谷麦の効能も麦芽と同じであるが、消食の薬力は麦芽より弱い。そのため消化を促進しても胃気は傷めにくいという特徴がある。
谷麦は稲の発芽したもみを乾燥したものである。「もみ」とは、籾殻(もみがら)に包まれた状態の米のこと。
問題 運脾消食・固精止遺の効能があるのはどれか。
1.神曲
2.谷麦
3.鶏内金
4.麦芽
回答→3
【解説】
鶏内金はキジ科のニワトリの胃(砂嚢)の角質内壁の乾燥品で、効能は運脾消食・固精止遺である。消化不良・食積不化及び小児疳積や、遺尿・遺精の治療に用いる。また化堅消石の効能もあるので泌尿系の結石や胆石の治療にも用いる。(その場合は常に利水滲湿薬の金銭草と配伍する。)

問題 蛔虫病や小児疳積に有効なのはどれか。
1.使君子
2.檳榔
3.苦楝皮
4.南瓜子
回答→1
【解説】
使君子は、シクンシ科の植物の成熟果実あるいは種子である。効能は殺虫消積で、蛔虫病や小児疳積(味が甘で苦くない)の治療に用いる。

問題 駆虫薬で行気利水も兼ねるのはどれか。
1.貫衆
2.雷丸
3.苦楝皮
4.檳榔
回答→4
【解説】
檳榔はヤシ科のビンロウヤシの成熟種子である。(果皮は大腹皮)
檳榔は多種の腸寄生虫(条虫、姜片虫、鉤虫、蛔虫など)を駆殺する効能があり、瀉下も兼ねるため駆除に有効である。特に条虫に効くとされる。また実証の水腫、寒湿の脚気腫痛の治療もできる。

1.貫衆ー殺虫・清熱解毒・止血
2.雷丸ー殺虫
3.苦楝皮ー殺虫・療癬(皮膚病の治療)
4.檳榔ー殺虫・消積・行気・利水
問題 一定の毒性があり、頭癬や疥瘡(はたけがさ)などの皮膚病の治療ができるのはどれか。
1.貫衆
2.雷丸
3.苦楝皮
4.檳榔
回答→3
【解説】
苦楝皮はセンダンの樹皮で、効能は殺虫・療癬(皮膚病の治療)である。蛔虫病には単味で煎じて服用する。

問題 前煎には入れず、粉末を呑服すべきはどれか。
1.鶴草芽
2.貫衆
3.南瓜子
4.檳榔
回答→1
【解説】
鶴草芽はバラ科の多年草の仙鶴草(止血薬)の冬芽を乾燥したものである。
鶴草芽(かくそうが)は殺虫作用に合わせて緩下作用もある。服用方法は煎じずにすり潰した粉末をお湯で内服するのが特徴である。(有効成分が水に溶けない)
一般に服用後5〜6時間以内で虫体を排出することができる。
ということは同じ植物である仙鶴草は止血薬であるが殺虫も兼ねることはセットで覚えておこう。

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