問題 温経止血・散寒止痛の効能を持つのはどれか。
1.灶心土
2.艾葉
3.羊蹄
4.藕節
回答→2
【解説】
艾葉はヨモギの葉である。温経止血・散寒止痛の効能があるので虚寒性の出血証の治療に用いる。また婦人の崩漏下血の治療にも最適である。
艾葉で作る棒灸は、温煦気血、透達経絡の効能を持つので、寒湿が経絡を阻滞する病証への治療に用いる。艾葉は主に月経過多症や月経痛など月経異常の際に使用され、「胎児を鎮める」作用があると言われ、流産の恐れがある場合や不妊症にも処方されてきた。
他にも艾葉は煎じて外用にすれば皮膚湿疹の掻痒感に一定の効果がある。

問題 仙鶴草の効能はどれか。
1.温経止血
2.涼血止血
3.温中止血
4.収斂止血
回答→4
【解説】

仙鶴草はバラ科の多年草、キンミズヒキの全草を用いたもの。仙鶴草は味渋で収斂止血の効能に優れている。そのため各種出血の治療に使用される。他にも止痢、殺虫の効能があり、慢性の瀉痢の治療もできる。この殺虫も兼ねるのは仙鶴草の特徴でもある。
1.温経止血ー艾葉、灶心土
2.涼血止血ー大薊、小薊、地揄、苧麻根、槐花、側柏葉など
3.温中止血ー灶心土など
4.収斂止血ー仙鶴草、紫珠、白及、棕櫚炭など
化瘀止血ー三七など
問題 止血と解毒斂瘡の効能を持つのはどれか。
1.苧麻根
2.白茅根
3.地揄
4.小薊
問題 大腸蘊熱による便血・痔血の治療で地揄と配合するのはどれか。
1.槐花
2.小薊
3.三七
4.艾葉
回答→1
【解説】


槐花は効能は涼血止血である。槐角は槐の成熟果実を用いたもので、槐花よりも止血作用は劣るが、潤腸作用を兼ねるので、痔核による出血の治療に優れる。槐(えんじゅ)は別名はミモザである。止血には炒炭にして用いることが多く、便血・尿血の治療には地揄と配伍する。
問題 化瘀止血、活血定痛の効能を持つのはどれか。
1.花蕊石ー止血、化瘀
2.蒲黄ー収渋止血、行血袪瘀
3.三七ー化瘀止血、活血定痛
4.茜草ー活血袪瘀
回答→3
【解説】

三七(田七、参三七、田三七)はウコギ科サンシチニンジンの根である。効能は化瘀止血、活血定痛で、瘀滞を兼ねる出血への治療に最適である。三七の特徴は「血を止めても瘀を残さない」ことであり、つまり止血をしても留瘀の副作用がないということ。また消腫止痛の効能も兼ねるので打撲の治療にも用いられる。三七は止血薬だが活血化瘀ができるのも特徴!
似た効能で涼血止血で活血袪瘀を兼ねるのは茜草である。
1.花蕊石ー止血、化瘀
2.蒲黄ー収渋止血、行血袪瘀
3.三七ー化瘀止血、活血定痛
4.茜草ー活血袪瘀
問題 涼血止血と袪瘀の効能をもつのはどれか。
1.白芨
2.艾葉
3.灶心土
4.茜草
回答→4
【解説】

茜草(茜草根、生茜草)はアカネ科アカネの根及び根茎を乾燥したものである。茜草の効能は生で用いると活血袪瘀で止血も兼ねるが、炒めると涼血止血に働く。
※化瘀と袪瘀の違いー化瘀は瘀血を分解して流れを取り戻すイメージ、袪瘀は瘀血を体外に排泄するイメージ。
問題 主に肺・胃の治療に用いるのはどれか。
1.小薊
2.大薊
3.棕櫚炭
4.白芨
回答→4
【解説】


白芨はラン科の多年草、シランの球根を用いたもので、効能は収斂止血と消腫生肌である。帰経は肺・肝・胃経で主に肺・胃の出血の治療に用いる。よって吐血や喀血の治療に用いる。
生肌の効能を利用して手足の皸(あかぎれ)にも使用できる。その際は白芨を胡麻油で調整して塗る。
※白芨は烏頭と相反する。
参考:生薬の玉手箱
問題 花粉を用いる生薬はどれか。
1.小薊
2.蒲黄
3.棕櫚炭
4.天花粉
回答→2
【解説】
蒲黄はガマの成熟花粉を用いたものである。効能は収斂止血・行気袪瘀・利尿である。生では活血袪瘀、炒めると止血の作用が強くなる。また蒲黄にも三七と同様の「血を止めても瘀を残さない」という特徴がある。
因みに天花粉は清熱瀉火薬で栝楼の乾燥根を用いる。

問題 血熱妄行による血尿の治療に優れているのはどれか。
1.小薊
2.地揄
3.白芨
4.三七
回答→1
【解説】
小薊が血熱妄行による血尿の治療に優れているのは、涼血止血に利尿の効能も兼ねているからである。たとえば小薊飲子である。
大薊も小薊も解毒消の効能を持つが、大薊の方が薬力は強い。
問題 川芎の効能はどれか。
1.活血行気・消腫生肌
2.活血行気・袪風止痛
3.活血行気・利胆退黄
4.活血行気・痛経止痛
回答→2
【解説】
川芎はセリ科のセンキュウの根茎を通常湯通しして乾燥したもの。効能は活血行気・袪風止痛である。 川芎は「血中の気薬」 と言われ、すなわち「血だけでなく気も通達する」という特徴がある。生理不順、生理痛、無月経、難産、産後瘀阻による腹痛、胸脇部、季肋部の痛み、肢体麻痺、打撲損傷および瘡瘍腫痛などの証候に用いる。他にも、頭痛の必須薬でもあり、風湿の痹証にも有効である。
問題 活血・行気・止痛の効能を併せ持つのはどれか。
1.延胡索
2.鬱金
3.丹参
4.五霊脂
回答→1
【解説】

延胡索はケシ科の延胡索の塊茎である。効能は活血・行気・止血・止痛で全身の各部位の多種の疼痛の治療に適する。例えば気滞血瘀による
・脘腹疼痛ー川楝子と配合
・経行腹痛ー当帰・川芎・白芍・香附と配合
・胸肋作痛ー栝楼・薤白・鬱金・烏薬と配合
・四肢あるいは全身疼痛ー当帰・桂枝・赤芍と配合
・疝痛ー小茴香と配合
※醋制すると止血・止痛効果が増強される。
問題 行気解鬱・活血止痛・涼血清心・利胆退黄の効能をもつのはどれか。
1.川芎
2.丹参
3.紅花
4.鬱金
回答→4
【解説】

鬱金はショウガ科ウコンの根茎を用いたものである。効能は行気解鬱・活血止痛・涼血清心・利胆退黄と多岐にわたる。
・行気解鬱・涼血清心の効能で、肝鬱化火による迫血妄行で生じた吐血、衄血、尿血、婦人倒経の治療。※婦人倒経ー逆経ともいう。月経時に通常の出血ではなく、鼻、肺、胃などの他の部位から出血すること。
・涼血清心・行気開鬱の効能で、温湿病と癲癇発狂の治療。
・利胆退黄の効能で、黄疸の治療。
・疏肝行気の効能で、肝気鬱滞・血瘀内阻による疼痛と癥瘕の治療。
問題 丹参の効能はどれか。
1.活血袪瘀・養血安神
2.破血袪瘀・行気止痛
3.行気補血・舒筋活絡
4.活血袪瘀・潤腸通便
回答→1
【解説】

丹参はシソ科の丹参の根を用いたもの。効能は活血袪瘀・養血安神・涼血消廱である。丹参は活血袪瘀の力が強いため、月経不順の調節に優れる。その場合、性は寒涼に偏るため血熱瘀血の証の治療に最適。丹参は安神にも働くところが特徴である。
問題 下行に優れ、腰膝の酸痛に必須なのはどれか。
1.虎杖
2.桃仁
3.川芎
4.牛膝
回答→4
【解説】

☆牛膝はヒユ科のモンパノイノコヅチやヒナタイノコズチの根を用いたもの。 効能は、活血袪瘀、補肝腎、強筋骨、利尿通淋、引血下行である。この下行の性質で腰膝の酸痛に効果的となる。また上炎の火を下げることもできる。
問題 癒合し難い傷に有効なのはどれか。
1.川芎
2.鶏血藤
3.乳香
4.延胡索
回答→3
【解説】

乳香はカンラン科のニュウコウジュの膠状の樹脂を用いたもの。効能は活血止痛・消腫生肌で、没薬も同様の効能である。癒合し難い潰れた瘡瘍に有効である。
問題 潤腸通便もできる活血袪瘀薬はどれか。
1.紅花
2.桃仁
3.決明子
4.柏子仁
回答→2
【解説】

桃仁は、ももの成熟種子を用いたもの。効能は潤腸通便・活血袪瘀である。潤腸通便もできる活血袪瘀薬は桃仁である。
問題 清熱解毒もできる活血袪瘀薬はどれか。
1.益母草
2.鶏血藤
3.五霊脂
4.牛膝
回答→1
【解説】

益母草は婦人科の常用薬である。シソ科のメハジキおよびホソバメハジキの全草を用いたものである。効能は活血袪瘀・利水消腫。また活血袪瘀薬で清熱解毒もできるのは益母草の特徴でもある。
問題 行血もでき補血もできるのはどれか。
1.桃仁
2.紅花
3.五霊脂
4.鶏血藤
回答→4
【解説】

鶏血藤はムラサキナツフジなどの茎を用いたもので、基源植物はそれぞれ異なるが、切ると赤い汁が出ることは共通である。効能は行血補血・舒筋活絡である。鶏血藤はこの補血を兼ねるのが特徴である。
問題 破血袪瘀の効能があるのどれか。
1.没薬
2.紅花
3.桃仁
4.莪朮
回答→4
【解説】

莪朮はショウガ科の多年草、ガジュツの根茎を用いたもの。効能は破血袪瘀・行気止痛である。
莪朮の行気消積の力も猛烈であるため食滞の治療もできる。三棱も同様の効能を持つ。
問題 活血袪瘀薬で清熱解毒を兼ねるのはどれか。
1.益母草
2.鶏血藤
3.五霊脂
4.紅花
回答→1
【解説】
益母草の効能は活血袪瘀・利尿消腫で、特に活血袪瘀を以て通経に働くので、産婦人科の要薬とされている。特徴は清熱解毒も兼ねるということもある。
問題 血滞による諸痛を治療する要薬はどれか。
1.牛膝
2.劉寄奴
3.五霊脂
4.益母草
回答→3
【解説】
五霊脂はムササビの乾燥した糞便を用いたもの。効能は活血止痛・化瘀止血であるが、生では活血止痛、炒めると化瘀止血の効能を得られる。
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