患者様(初診)
38歳。男性。会社員(デスクワーク)。独身。
【主訴】
首、肩の痛みと腕の痺れ。不良姿勢
【問診情報】
首肩コリは慢性的にあるが、マッサージなどで誤魔化していた。3ヶ月前から軽度の腕の痺れ(右前腕の甲側)が現れたので心配になり整形外科を受診。そこで頚部椎間板ヘルニアによるC6/7神経根症と診断された。病院での治療は鎮痛剤のみで、それに対して少し不満を抱いている。患者がネットで「頚椎ヘルニア」と検索したところ、ストレートネックが原因であると判断し当院を受診された。首の痛みに夜間痛や安静時痛は無い。
【既往歴】
なし
【その他】
・運動習慣は全く無い。
・飲酒は毎日、喫煙あり
・外食が多い
・睡眠は問題なし
その他の症状
弁証(診立て)
日々の不良姿勢・同一姿勢による頚椎への負担、運動不足による上背部の柔軟性・筋力低下によっって椎間板に変性が生じたようです。首の可動域は左右ともに少なく、首の根本から前を向くこと出来なくなっていました。腕の痺れは上を向く動作で起こり、胸椎も伸展できず、体の重心は前方に移動した状態でした。また頚椎に捻れもみられました。
治療方針
中医学的な治療は行わず、「痛みの緩和」と「姿勢の矯正」を主に行います。
またヘルニアの症状もあるので、頚部の操作には注意を払って治療を進めていきます。
「痛みの緩和」には頚部と背部への鍼灸治療と筋膜リリースを、「姿勢の矯正」には整体を行い、それによって頸部への負担軽減を狙います。
治療内容
【初回】
初回は、変化を実感してもらい治療のモチベーションをあげるために、整体で姿勢を整えました。時間は50分です。写真は初回の施術写真です。1回の施術でも大きく姿勢が変化することに驚かれていました。また呼吸がしやすい、目が開く、肩もよく回るなど実感されたようです。肩と首の痛みも我慢できるほどのレベルに軽減したとのことです。治療頻度は、最初の4回は週に2回をお伝えしました。病院での治療方針に不満を持たれていたので、今の症状であれば第一選択として消炎鎮痛剤で痛みをコントロールしながら保存療法が通常であり、それでも状態が改善しなければステロイドやブロック注射などで治療を進めてもらえると思いますよと伝えると納得されました。
【2回目】
方針通り、前回より3日後に来院。2回目の施術では「痛みの緩和」をメインに治療することを伝え、頚肩部と上背部に鍼治療を行いました。腕の痺れは若干残っているということだったので「鍼麻酔方式」を行いました。前回の術後から痛みはかなり軽減されていたようですが、今回の治療後はゼロに近いほど痛みが軽減したとのことです。
【3回目】
ヘルニアも消失したのか徒手検査でも腕の痺れは出現せず、痛みもゼロでは無いが我慢できる程度に安定しているとのこと。頭痛の頻度も減ったようです。
今回は鍼灸治療をメインに行い、筋緊張の緩和、痛みの軽減、患部の血流促進を目的としました。
【4回目】
痛みはゼロに近い状態で安定しているとのこと。姿勢は相変わらず首が前方に突出する姿勢なので、鍼治療は行わず、初回と同様の整体を行いました。痛みレベルも下がったので次回は2週間後に来院してもらいます。
【5回目】
状態が悪化することはなく、時々だるさがある程度で安定しているとのこと。デスクワークが連続時間続くと痛みが出現するが、少し体操をすれば軽減するようになったそうです。今回の治療は鍼灸治療と整体を90分間行いました。ひとまずこれで治療は終了です。
まとめ
5回の施術を通じて、健康リテラシーも向上して頂けたようで、ジョギングの運動習慣を取り入れてくださるようになりました。首の骨も消耗品でありますので、変性は誰にでも起こっています。
現在は2ヶ月に1回の通院で、「体のお手入れとリフレッシュ」を目的に通って下さっています。
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