同じ問題を繰り返すと「答えの位置」や「番号」だけを覚えてしまい、理解できているか判断しにくくなるため、
選択肢の並びは表示のたびに入れ替わります(内容の正誤は変わりません)。
問151 【症例】46歳女性。配偶者の死を契機に抑うつが強くなり、悲観的で意欲が著しく低下。食欲不振、動悸、不眠、物忘れを伴う。舌は淡、脈は細く弱い。
最も適切な病証はどれか。
深掘り問151 解説(心=動悸/不眠/健忘、脾=食欲↓:両方が“虚”)
- 脾の虚:食欲不振、気力低下(意欲低下として出ることも)
- 心の虚:動悸、不眠、健忘(物忘れ)
- 舌:淡、脈:細く弱い → 典型的な虚証の所見。
- 肝気鬱結なら胸脇苦満・ため息・怒りっぽさ・脈弦など“気滞”が前に出やすいが、ここは虚の情報が強い。
暗記核:「食欲↓+動悸/不眠/健忘+淡舌/細弱脈=心脾両虚」
食欲低下(脾)に加えて、動悸・不眠・健忘(心)を伴い、淡舌・細弱脈の虚証所見があるため心脾両虚が最も合います。
問152 【症例】(問151と同一)治療が進み食欲や気力が回復してきた。
この時期に最も注意して観察すべき症状はどれか。
深掘り問152 解説(回復期の落とし穴:気力が戻ると“実行”しやすい)
- うつ病では、最重症期は「動けない」ため行動化しにくいことがあります。
- しかし治療で食欲や気力が少し戻る時期は、悲観は残ったままでも実行力だけ回復してしまい、リスクが上がることがある。
- だからこのタイミングは自殺念慮(希死念慮)の確認が最優先。
暗記核:「回復期=自殺リスク再上昇に注意」
うつ病では「気力が少し戻る時期」に行動化しやすくなるため、自殺念慮・希死念慮の有無を特に丁寧に確認します。
問153 【症例】65歳女性。手関節部の骨折後の変形が背景にあり、示指・中指の指先のしびれと、母指の動かしにくさが出てきた。
最もみられやすい所見(徴候)はどれか。
深掘り問153 解説(示指・中指のしびれ=正中神経/母指の運動=前骨間神経も連想)
- 示指・中指の指先のしびれ → まず正中神経(手根管)を疑う分布。
- さらに「母指が動かしにくい」は、母指対立筋など(反回枝)や、つまみ動作の不良(前骨間神経:FPL/示指深指屈筋など)も連想しやすい。
- パーフェクトOサイン(OKサイン)が崩れるのは、前骨間神経(正中神経の運動枝)評価の定番。
- フロマン徴候は尺骨神経(母指内転筋)で、分布が合いにくい。
- 祈祷師の手は正中神経麻痺で有名だが、設問の「みられやすい徴候」としてはこのセットはOサインに寄せた作り。
暗記核:「正中神経(前骨間)=OKサイン(Perfect O)」
示指・中指のしびれと母指の運動障害は正中神経障害(手根管など)を示唆します。正中神経(前骨間神経含む)評価としてパーフェクトOサインの不整が選ばれます。
問154 【症例】(問153と同一)手関節部の骨折として最も考えやすいのはどれか。
深掘り問154 解説(手根管症状を残しやすい“手関節骨折”の代表=橈骨遠位端)
- 骨折後変形 → 手関節のアライメント変化 → 手根管内圧上昇や腱・神経の滑走不良を起こしやすい。
- その代表が橈骨遠位端骨折(Colles骨折など)。
- 舟状骨や有鉤骨でも手関節痛は典型だが、「変形→正中神経症状」の王道は橈骨遠位端に寄せた出題が多い。
暗記核:「手関節骨折+CTSっぽい=橈骨遠位端」
手関節部の骨折後変形から正中神経症状(手根管)を来しやすい代表は橈骨遠位端骨折(Colles骨折など)です。
問155 【症例】35歳男性。インスタント食品中心。全身倦怠感があり、近頃は下肢のしびれ。膝蓋腱反射が低下し、ビタミン不足を指摘された。
不足が疑われるビタミンはどれか。
深掘り問155 解説(偏食+倦怠+末梢神経+反射↓=脚気=B1)
- インスタント中心=栄養の偏り → まず水溶性ビタミン欠乏を疑いやすい。
- 下肢のしびれ+腱反射低下 → 末梢神経障害のイメージ。
- このセットは脚気(ビタミンB1欠乏)の“定番の想起”問題。
- B12欠乏も神経症状は出るが、設問の作り(偏食・インスタント)と「脚気」の連想はB1に寄る。
暗記核:「脚気=B1」
偏食(加工食品中心)+倦怠感+末梢神経症状は脚気(ビタミンB1欠乏)を想起します。
問156 【症例】(問155と同一)症状改善に用いる「8つの○○穴(経験穴の組合せ)」に含まれる穴として適切なのはどれか。
深掘り問156 解説(脚気の経験穴セット:出題で拾う“陽陵泉”)
- 問155の流れから、ここでいう「8つの○○穴」は脚気の症状(下肢のしびれ等)に使う経験穴セットを指す作り。
- 国家試験系の問題では、そのセットに含まれる穴として陽陵泉(GB34)が選ばれる形で出題されることがあります。
- この手は「名称より、代表穴を覚えて拾う」タイプ:下肢・筋腱の要穴(陽陵泉)が引っかけにくい。
暗記核:「脚気系の経験穴セットで“陽陵泉”が出る」
下肢のしびれなど「脚気」系の訴えで用いる経験穴の組合せ(いわゆる○○八穴)では、陽陵泉が含まれるものとして出題されます。
問157 【症例】28歳男性。職場での強いストレス。腹痛と下痢がひどく、通勤中もトイレ回数が増える。血便なし。休日は症状が出ない。舌は淡紅で苔少、脈は弦。
最も考えられる疾患はどれか。
深掘り問157 解説(ストレスで悪化・休日軽快・血便なし=IBS)
- ストレスで悪化し、休日は軽快=機能性疾患のパターン。
- 腹痛+下痢+生活場面(通勤)で顕著、血便なし → 炎症性腸疾患より過敏性腸症候群(IBS)が合う。
- 潰瘍性大腸炎なら血便・粘血便などの“炎症サイン”が出題で押されやすい。
暗記核:「ストレス×下痢×血便なし=IBS」
ストレスで悪化し、休日は軽快、血便なしという経過は過敏性腸症候群(IBS)を強く示唆します。
問158 【症例】(問157と同一)東洋医学的な治療方針として最も適切なのはどれか。
深掘り問158 解説(IBSの東洋医学:ストレス=肝、腸=脾 → 肝脾不和)
- ストレス反応は五臓の整理で肝が担う(疏泄)。
- 下痢・腹痛など消化器は脾の領域に寄せて扱うことが多い。
- よって「肝が乱れて脾に影響」=肝脾不和の発想 → 肝脾のバランスを整えるが基本方針。
暗記核:「ストレス下痢=肝脾不和」
ストレス(肝)で腸症状(脾)に影響する像は「肝脾不和」系で捉え、肝と脾の調和を図る方針が基本になります。
問159 【症例】52歳女性。右の末梢性顔面神経麻痺(額のしわ寄せ不可)。涙液低下、聴覚過敏、味覚障害、唾液分泌障害もある。
四総穴の主治を踏まえて治療する場合、最も適切な穴はどれか。
深掘り問159 解説(四総穴:面口=合谷)
- 末梢性顔面神経麻痺:額のしわ寄せ不可=末梢性の典型(中枢性なら額は保たれやすい)。
- 四総穴(四総穴の主治)で、顔面・口周囲(面口)を代表するのが合谷(LI4)。
- 列欠は頭項・項背などで挙げられやすく、委中は腰背、足三里は腹などの整理で使われます。
暗記核:「面口=合谷」
四総穴では合谷が「面口(顔面・口周囲)」の主治として代表です。顔面神経麻痺の基本穴としても頻用します。
問160 【症例】(問159と同一)後遺症として起こりやすいのはどれか。
深掘り問160 解説(顔面神経の誤再支配:食事で涙=ワニの涙)
- 末梢性顔面神経麻痺の回復過程では、神経が伸び直すときに誤って再支配が起きることがあります(synkinesis)。
- その代表がワニの涙(Crocodile tears):本来は唾液腺へ行くはずの副交感線維が涙腺へ迷入し、食事時に涙が出るなど。
- 眼瞼下垂は動眼神経(III)寄り、共同偏視は中枢性(眼球運動中枢)寄りで文脈が違う。
暗記核:「顔面神経麻痺の後遺症=ワニの涙」
末梢性顔面神経麻痺の回復過程で、味覚・涙腺の神経支配が誤って再支配され、食事時に涙が出る「ワニの涙(Crocodile tears)」が後遺症として知られます。










