不妊治療はいつから?病院を受診する目安

妊娠を希望しているものの、なかなか妊娠しないとき、「もう少し様子を見た方がよいのか」「病院へ行くのはまだ早いのか」と迷う方は少なくありません。不妊症は一般的に、避妊をせずに性交しているにもかかわらず、1年以上妊娠しない状態をいいます。ただし、年齢や月経の状態、これまでの病気や治療歴によっては、1年を待たずに相談した方がよい場合があります。このページでは、病院を受診する一般的な目安と、早めに相談した方がよいケースについて解説します。

受診時期の基本的な目安

この期間は、必ず待たなければならない期間ではありません。月経の異常や婦人科疾患、手術歴、男性側の心配などがある場合は、期間にかかわらず早めに相談します。

なぜ年齢によって受診の目安が違うの?

女性の妊娠しやすさは、年齢とともに少しずつ変化します。特に30代後半以降は、卵子の数や質の変化などにより、妊娠までに時間がかかる可能性が高くなります。また、妊娠が成立した後の流産率も、年齢とともに上昇する傾向があります。そのため、35歳以上では1年間待たず、6か月を目安に検査や相談を検討します。40歳を超えている場合は、長く様子を見るよりも、現在の状態を早めに確認することが大切です。

期間を待たずに相談した方がよいケース

次のような場合は、1年や6か月を待たずに相談を検討します。

月経に気になることがある

  • 月経が数か月来ない
  • 月経周期が大きく乱れている
  • 月経周期が極端に短い、または長い
  • 月経痛が非常に強い

排卵障害や子宮内膜症などが関係していることがあります。

婦人科の病気や手術歴がある

  • 子宮内膜症
  • 子宮筋腫
  • 卵巣の病気
  • クラミジア感染の既往
  • 子宮、卵巣、卵管の手術歴
  • 骨盤内の炎症や手術歴

卵管や卵巣、子宮の状態が妊娠に影響している場合があります。

男性側に気になることがある

  • 停留精巣や精巣の病気の既往
  • 精巣や鼠径部の手術歴
  • 勃起や射精に関する問題
  • 抗がん剤や放射線治療歴
  • 精液の状態について心配がある

不妊の原因は、男性側にも関係することがあります。女性側だけでなく、必要に応じて男性側も同じ時期に相談することが大切です。

がん治療などを予定している

抗がん剤治療や放射線治療の内容によっては、卵巣や精巣の機能に影響することがあります。将来妊娠を希望する場合は、治療開始前に妊孕性温存について相談します。

一度妊娠や出産をしていても、相談してよい

過去に妊娠や出産をしていても、現在は年齢や身体の状態が変化しています。以前は自然に妊娠できた場合でも、その後なかなか妊娠しない状態を続発性不妊といいます。「一度妊娠できたから大丈夫」と長く様子を見るのではなく、妊娠しない期間が続く場合は相談を検討します。

受診しても、すぐ治療が始まるとは限りません

病院を受診すると、すぐに人工授精や体外受精を勧められるのではないかと不安に感じる方もいます。しかし、初診ではまず、

  • 妊娠を希望している期間
  • 月経周期
  • 過去の妊娠や出産歴
  • 病気や手術歴
  • 夫婦生活の頻度
  • 今後の希望

などを確認します。

そのうえで、必要な検査や今後の進め方を相談します。年齢や検査結果、本人たちの希望によっては、自然妊娠を目指しながら経過を見る場合もあります。受診は、治療を始める決断ではなく、現在の状態を確認し、選択肢を整理するための機会でもあります。

どの病院に相談すればよい?

まずは、一般の産婦人科や婦人科へ相談する方法があります。ただし、医療機関によって、対応している検査や治療は異なります。次のような場合は、不妊治療や生殖医療を専門に扱う医療機関を検討してもよいでしょう。

  • 35歳以上で早めに妊娠を希望している
  • 40歳を超えている
  • 不妊治療を受けたことがある
  • 男性不妊の可能性がある
  • 子宮内膜症や卵管の問題が疑われる
  • 人工授精や体外受精も含めて相談したい

受診前に、精液検査、卵管造影検査、人工授精、体外受精などに対応しているか確認しておくと安心です。

まとめ

病院へ相談する一般的な目安は、次のとおりです。

  • 35歳未満では、妊娠を希望してから1年
  • 35歳以上では、妊娠を希望してから6か月
  • 40歳を超える場合は、より早めの相談
  • 月経異常や既往歴などがある場合は、期間を待たずに相談

ただし、これらは一律のルールではありません。「病院へ行くにはまだ早いかもしれない」と感じている段階でも、相談することはできます。受診したからといって、すぐに治療を始める必要はありません。現在の状態を知り、自分たちに合った進み方を考えるための一歩として、医療機関を活用してください。

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