第３２回　はりきゅう国試　東洋医学概論

回答→４

【解説】
未病は病気になる可能性を持っている状態と言える。「病気でなければ健康、健康でなければ病気」ではなく、健康の程度には高い状態から低い状態までがあり、それが低下すると病気の状態に至るという連続的な見方をするものである。

回答→ 3

【解説】
神（しん）とは、広義では人体の外部に現れた生命活動の全てである。
例えば姿形、 顔色、 眼光、 言語の反応、 肢体の運動状況までもが神の表れで、生命活動が外部に反応されたものを神気と言う。

狭義では精神・意識・思惟活動を指す。心の生理作用のひとつである「神志を主る（心主神志）」である。

※生命活動の維持も含め「神志を主る」ということだと教科書にも書いているので、不適切のような気もするのだが。。。
今度、学校の先生に聞いて確認しておきます。
追記：確認したとこと本問題は「臓腑の蔵象」は関係なく「神」について問われているため、シンプルに以下のように考えれば良いとのことでした。（2024/10/4）

回答→２

【解説】
疾病の本質が虚証であり、主な症候が実証である場合を本標実という。

1.肝鬱気滞
肝が疏泄できず、気機が鬱滞した証候である。よって実証である。

2.◯肝陽上亢
肝腎の陰虚よって、肝陽が偏亢した証候である。よって本虚標実証である。

3.肝火犯肺
肝火が肺の機能に影響を及ぼした証候である。よって実証である。

4.心肝火旺
肝火上炎から心に影響を及ぼし心肝が共に内火を生じる証候である。よって実証である。

回答→１

【解説】
衝脈・任脈・督脈のすべてと密接な関係にある奇恒の腑は女子胞（胞宮）である。つまり子宮を指す。女子胞は月経・妊娠・出産に関与する。また督脈・衝脈・任脈は女子胞より起こる。  衝脈は血海で、任脈は陰脈の海であり胞胎を主る。衝脈と任脈の気血の充実は、胞官の生理活動の基本物質となる。

回答→２

【解説】
1.経脈の循行は中焦から起こる。
2.◯経別は経脈から分かれて縦に走る支脈で、別行する正経である。
3.奇経八脈の循行には規則性が無く、臓腑との属絡関係や奇経同志の表裏関係を持たない。
4.絡脈は経脈から分かれる支脈のことで、その大きなものを大絡、細かいものを浮脈と孫脈と言う。浮脈は表皮に見える静脈を指し、細絡（孫絡）は毛細血管の拡張、くも状血管腫などを指す。

回答→ ２
【解説】
皮膚の色を判断する場合、皮膚との関連が深い「肺」の経絡上の皮膚を観察することがある。よって肺の経絡が通る前腕前面部が最も適切と言える。教科書には無いので想像力が必要な問題。

回答→ ３

【解説】
1.手の三陰経筋が共通して結聚する部位は肘窩・腋・横隔膜である。
2.手の三陽経筋が共通して結聚する部位は手関節背側・肘関節・肩 関節・頭頚部にである。
3.◯足の三陰経筋が共通して結聚する部位は内果・脛骨内側・生殖器（恥骨内端や骨盤底筋群)である。
4.足の三陽経筋が共通して結聚する部位は外果・足関節・膝・鎖 骨上窩・眼窩である。

回答→４

【解説】
長夏（つまり夏の終わり）は多湿な時期であり、また脾が影響を受けやすい時期でもある。選択肢も中で湿邪によるものは4番の浮腫であり、その他は暑邪による影響の症状である。

回答→３

【解説】
三毒説とは血毒（血の滞り）、水毒（水の滞り）、食毒（飲食物の滞り・宿便）の病因説のことである。
・血毒（血瘀）ー打撲、月経障害、血熱など
・水毒ー浮腫、分泌物の異常など
・食毒ー宿便など

『参考：過去の同様の問題』
Q.三毒説と関係するのはどれか。
1．大便の停滞
2．房事の過多
3．感情の乱れ
4．運動の不足
（第30回あん摩マッサージ指圧師国家試験 問題90）
回答→ １

回答→ １
いかに五行を覚えているかの問題。

回答→ ４
ポイントは、上肢後面（外側）、目尻、耳の後、自汗である。経脈病証で「自汗」は少陽経の特徴である。（胆経でもみられる）

回答→３

【解説】
六経弁証（三陰三陽病証）とは、外感病を分析する方法のひとつであり、風寒を感受した後の病態の発生と発展を6つの証型（三陰三陽・六病位）に弁別する。太陽病証・少陽病証・陽明病証を三陽病といい、正気が邪気に対して抵抗している段階である。太陰病証・少陰病証・厭陰病証を三陰病といい、正気が弱り、邪気が臓脈を侵している状態である。

回答→２

【解説】
キーワードの症状は、噯気と腹部の膨満感である。
腹部の膨満感は気の滞りから起き、噯気は胃気上逆による症状であるが、胃気の滞りから起きる。また前半の問題文からも情志の失調が疑われる。よって気滞による便秘（気秘）が最も適切と言える。

【詳しく】
憂鬱な感情によって、肝脾の気が鬱滞し、伝導が失職すると大便が固まり便意はあっても出ない。腑気が通じず、気が下行せずに上逆すると頻繁に噯気がある。他にも胸脇痹満（苦満）が見られることも。糟粕が内停して気機が鬱滞すると腹の脹痛が見られる。腸胃の気が阻まれて、脾気の運化が失職すると納食が減る。

回答→２

【解説】
雨天を歩いた翌日は微熱・発汗がみられるので表証だったと疑うが（一般的には外感病では発熱。悪寒。浮脈が同時にあれば表証）、その後は倦怠感と食欲不振、水様便がみられ、邪が裏に入り脾陽を損傷した症状を呈しているので裏虚証と言える。

もっと簡単に考えれば、雨に濡れたから原因は外感病で、悪寒・発熱がないから表証では無い。虚実でいうと、症状は機能低下によるものなので虚証と判断できる。

回答→ １

【解説】
虚実が判別できれば回答がわかる（臨床はそうもいかないが）。
虚なら補法、実なら瀉法を選択する。
問題文では薄着で外出で悪寒したので表実寒証が疑われる。よって補法の手技を選択すれば良い。

1.◯刺入後、押手を揺るがせる→ 瀉法（揺動の補瀉・瀉法は刺手を震わせる）
2.刺入後、細かく鍼を回転させる→ 補法（捻転の補瀉・瀉法は大きく回転し、母指を手前に引く時に力強く）
3.呼気時に刺入し、吸気時に抜鍼する→ 浦法（呼吸の補瀉）
4.浅く刺入し、後に深くする→ 補法（浅深の補瀉）

回答→ ４

【解説】
1.汗法ー 発汗させる方法により、体表部に侵襲した邪気を汗と共に取り除く方法。
2.清法ー邪熱を取り除く方法である。
3.吐法ー 嘔吐させることにより、痰飲や食積を吐き出させる方法である。（現在ではあまり用いられていない。）
4.◯消法ー 停滞もしくは貯留した病理物質を消散させることにより除去する方法であり、瀉法の1つである。

[その他に知っておきたい治法]
・下法ー瀉下法のこと。 排便を促すことにより、病因を除去する方法である。
・和法ー 調和、協調させることにより、生理物質、臓腑の機能、陰陽の偏盛偏衰の状態を調和させて、改善に導く方法である。