臨床医学各論
変形性股関節症について正しいのはどれか。
1 X線所見で関節裂隙の狭小化がみられる。
2 単純性股関節炎がみられる。
3 関節の強直がみられる。
4 間欠性跛行が出現する。
【解説】変形性関節症は関節の退行変性によって関節構造の摩耗と増殖が混在して同時に起 こり、関節の形態が変化する非炎症性、進行性疾患である。
変形性股関節症には原因不明(退行性病変)の一次性変形性股関節症と、先天性股関節脱臼(発育性股関節形成不全)、同亜脱臼、臼蓋形成不全、ペルテス病、大腿骨頭壊死、関節リウマチなどの疾患に続発する二次性変形性股関節症がある。日本では二次性が殆どで、女性に多い。
※変形性膝関節症では一次性が多い。
1◯X線所見での診断では、関節裂隙の狭小化がみられる。他にも軟骨下骨の硬化像、骨嚢胞の出現、骨頭の変形、骨棘の形成、臼蓋形成不全、シェントン線の乱れなどが出現する。
2 単純性股関節炎は小児の股関節痛を呈する疾患で最も頻度が高いとされている疾患である。単純性股関節炎ではX線上での異常は無い。
3 関節の拘縮がみられる。わが国では慣例上、関節の可動域がほぼ消失してしまった場合を強直と呼び、関節の動きがある程度残っている場合には、たとえその原因部位が関節包内にあっても(定義では運動障害の原因が関節包内にある場合は強直となるが)拘縮と言い習わしている。
4 間欠性跛行とは、間欠性とは「一時的に繰り返し起こる」こと、跛行とは「一側をひきずるかたちの歩行異常」のことである。下肢動脈硬化症や腰部脊柱管狭窄症などでみららる。
変形性股関節症では跛行(逃避性破行や墜下跛行)となり、トレンデレンブクグ徴候は陽性となる。
☆臨床には大切なので股関節痛を発症する疾患を知っておこう。 ●骨原因の疾患 ●関節が原因の疾患 ●軟部組織に起因するもの ●その他(神経血管を含む) |