同じ問題を繰り返すと「答えの位置」や「番号」だけを覚えてしまい、理解できているか判断しにくくなるため、
選択肢の並びは表示のたびに入れ替わります(内容の正誤は変わりません)。
問161 古代の九鍼のうち、皮膚を切開する用途のものはどれか。
深掘り問161 解説(九鍼の“形と用途”で覚える)
九鍼は「形=用途」を問う定番。切開・排膿のように“刃物的”な用途があるものを見抜く問題です。
- 鈹鍼(ひしん):刃のある形状で、切開・排膿など外科的用途として整理。
- 鍉鍼:刺さない(押す・按ずる)系。痛みが強い部位や虚弱者に用いるイメージ。
- 円鍼:丸い先端で“さする・摩する”方向の刺激(浅い接触刺激に寄せて覚える)。
- 員利鍼:先端が丸みを帯びつつ鋭さもあるタイプで、目的は切開というより“刺して抜く”系に寄る。
覚え方:「切る=刃(鈹)」。文字に“金+比”でも刃物っぽさを連想。
鈹鍼は刃物のような形状で、切開(排膿など)に用いるものとして整理されます。
問162 基本17手技のうち、刺入深度が最も深くなりやすいのはどれか。
深掘り問162 解説(17手技:深刺・強刺激の代表を押さえる)
17手技は「操作のニュアンス」で分類すると覚えやすいです。ここは“深刺で強い刺激”がヒント。
- 屋漏術:深刺で強刺激になりやすい代表格として扱われやすい(国試の定番整理)。
- 管散術:管(鍼管)操作の文脈が強く、深度より“刺入手順・散らす操作”のイメージ。
- 細指術:指腹での細かい操作を想起し、深刺というより“繊細な手技”側。
- 鍼尖転移法:鍼尖の方向・位置を変える操作で、深度そのものの最大化とは別軸。
コツ:「最も深い」を見たら、まず“深刺の代表名”を思い出す(屋漏術をアンカーに)。
屋漏術は深刺で強い刺激を与える手技として学ぶことが多く、提示選択肢の中では最も深くなりやすい扱いです。
問163 特殊鍼法のうち、横刺(皮下に沿わせる刺し方)を行うのはどれか。
深掘り問163 解説(横刺=皮下に“寝かせる”発想)
- 横刺は、皮膚に対して角度を浅くして皮下に沿わせる刺し方(皮下刺)。
- 皮内鍼:皮下浅層に沿わせて刺入し留置するため、横刺の代表。
- 円皮鍼:短い鍼体を絆創膏で固定するタイプで、刺入は“浅い”が横刺の定義問題では皮内鍼が王道。
- 小児鍼:基本は刺入せず、接触・摩擦・圧刺激が中心。
- 灸頭鍼:鍼に艾を付けて温熱刺激を加える(刺し方が横刺というより“温める手技”)。
覚え方:「横に寝かせる=皮内(皮の中を走らせるイメージ)」
皮内鍼は皮下浅層に沿わせて刺入・留置する方法で、横刺(皮下刺)として扱われます。
問164 鍼治療の適応外(禁忌)として最も適切なのはどれか。
深掘り問164 解説(禁忌=“鍼で粘らず医療優先”の見極め)
国試での「禁忌・適応外」は、“鍼灸の有効性”より医療安全と優先順位の問題として出ます。
- 手術が必要な状態:外科的処置が必要=鍼灸の範囲を超える。まず医療機関で原因治療。
- つわり:禁忌というより、体調・刺激量・体位などに配慮しつつ適応になり得る領域として扱われやすい。
- 筋疲労:一般に適応として想起しやすい。
- 脳血管障害後の回復期:リハビリ期の補助的介入として学習することが多い(急性期は慎重)。
鉄則:「緊急性・重篤性・器質的問題が疑われる」なら鍼灸で引っ張らず、医療へ。
外科的処置が必要な緊急・重篤状態は、鍼灸で対応すべき範囲を超えるため禁忌(少なくとも優先順位として医療機関受診が最優先)と整理されます。
問165 刺鍼により心タンポナーデのリスクが問題となり得る経穴はどれか。
深掘り問165 解説(胸部正中の危険:心膜・大血管を意識)
心タンポナーデは“心膜腔に液体(血液など)が貯留して心臓が拡張できない”状態。鍼では深刺や方向誤りがリスクになります。
- 膻中(CV17):胸骨体部付近の正中。深度・方向を誤ると心膜など深部臓器リスクが問題化しやすい。
- 中府:胸部だが正中ではなく、主リスクは“気胸”が先に連想されやすい部位。
- 巨闕:心窩部寄り(上腹部正中)。内臓リスクはあるが、設問の“心タンポナーデ”の典型は膻中で問われやすい。
- 期門:季肋部。肝脾などの臓器リスクを連想。
覚え方:「タンポナーデ=心膜」→ 心臓に近い胸部正中(膻中)。
膻中(任脈・胸骨体部付近)は胸部正中で、刺入方向・深度を誤ると心膜などへのリスクが指摘される部位として注意穴に挙げられます。
問166 鍼施術後に起こる有害事象のうち、失神の原因として最も考えられるのはどれか。
深掘り問166 解説(鍼の失神=迷走神経反射/脳貧血の整理)
- 鍼施術で起こる失神は、多くが迷走神経反射(血管迷走神経反射)による一過性の血圧低下として説明される。
- 結果として脳灌流が一時的に不足 → 立ちくらみ・冷汗・悪心 → 失神(いわゆる脳貧血)。
- 気胸:呼吸苦・胸痛などが主。失神“の最頻原因”としてはズレる。
- 低血糖:空腹・糖尿病治療など背景が必要。一般的な鍼の失神原因としては優先度が下がる。
- 遺感覚:刺鍼後の違和感・重だるさなどで、失神の原因そのものではない。
対応の基本:臥位・下肢挙上、衣服を緩める、換気、バイタル確認。再発予防は体位・声かけ・空腹回避。
鍼施術に伴う失神は迷走神経反射などによる一過性の血圧低下(いわゆる脳貧血)として説明されることが多いです。
問167 副腎髄質で、交感神経節前線維から放出されるアセチルコリンが結合する受容体はどれか。
深掘り問167 解説(自律神経:節前ACh→ニコチンの“例外なし”)
自律神経は「節前・節後」で受容体が変わるのが頻出。副腎髄質は“特殊な交感神経節”として覚えると一発です。
- 交感神経節前線維:基本的にAChを放出し、ニコチン受容体(Nn)に結合。
- 副腎髄質:交感神経節に相当。節前AChが髄質細胞(クロム親和性細胞)を刺激 → カテコールアミン(主にアドレナリン/NA)放出。
- ムスカリン受容体は副交感神経の“節後”が主役(心臓など)。
- α/β受容体は、放出されたカテコールアミンが標的臓器で作用する受容体(AChが結合する先ではない)。
暗記核:「節前ACh→ニコチン(交感も副交感も同じ)」
副腎髄質は交感神経節に相当し、節前線維のAChがニコチン受容体に作用してカテコールアミン放出が起こります。
問168 青斑核由来の下行路が放出し、脊髄後角で侵害受容入力を抑制する物質はどれか。
深掘り問168 解説(下行性疼痛抑制:LC=NA、RVM=5-HT)
下行性疼痛抑制は「どこから降りてきて、何を放出するか」で整理すると強いです。
- 青斑核(LC):ノルアドレナリン(NA)作動性ニューロンが主体。
- NAは脊髄後角で侵害受容入力を抑制する方向に働く(抑制性介在ニューロンの賦活など)。
- グルタミン酸:代表的な興奮性伝達物質で、抑制の主役ではない。
- エンケファリン:脊髄後角などの内因性オピオイド(介在ニューロン)で重要だが、設問は“LC由来”なのでNAが確実。
- βエンドルフィン:内因性オピオイド。主に視床下部-下垂体系などで語られやすい。
セット暗記:「LC→NA」「(延髄RVM→5-HT)」
青斑核(LC)はノルアドレナリン作動性ニューロンが主体で、下行性に脊髄後角で痛覚入力を抑制します。
問169 下行性抑制系について最も適切なのはどれか。
深掘り問169 解説(PAG→RVM/LC→脊髄後角:抑制系の全体像)
下行性抑制系は「痛みが入ったときに、脳が“痛みゲートを閉じにくる”」仕組みとして整理するとわかりやすいです。
- ① 痛み入力(侵害受容ニューロンの興奮)に応じて、PAG(中脳水道周囲灰白質)などが賦活されうる。
- ② PAG→延髄(RVM)/青斑核(LC)へ。
- ③ 脊髄後角で侵害受容入力を抑制(5-HTやNA、オピオイド介在ニューロンなどが関与)。
- 選択肢2のポイント:PAGのGABA作動性は“抑制側”として扱われやすく、単純に「GABA興奮=賦活」とは言いにくい(ひっかけ)。
- 選択肢3:下行路は主に後外側索(背外側索)を通る整理が多く、「前側索」はズレやすい。
- 選択肢4:主要はヒスタミンではなく、5-HT・NA・内因性オピオイドなど。
暗記核:「PAG→RVM/LC→後角抑制」+「LC=NA」
下行性抑制系は痛み入力に応じて賦活され、PAG〜延髄(RVM/LC)などを介して脊髄後角で抑制作用を示します。
PAGではGABA作動性は“抑制側”として扱われるため、選択肢2は不適切です。
問170 刺鍼により「痛みの悪循環」を最も断ち切りやすい作用はどれか。
深掘り問170 解説(痛みの悪循環:筋緊張→虚血→発痛物質を断つ)
“痛みの悪循環”は臨床でも国試でも超頻出。流れを固定して、どこを切ると改善するかで考えます。
- 痛み → 筋緊張 → 血流低下(虚血) → 発痛物質増加 → さらに痛み…
- ここで効くのが血流改善。刺鍼でNO( 一酸化窒素 )などが関与し、血管拡張 → 循環改善へ。
- α運動ニューロン興奮:筋緊張を上げる方向で、悪循環を助長し得る。
- プロスタグランジン産生促進:痛み・炎症に関与し“増えると痛みやすい”側で不利。
- 交感神経興奮:一般に血管収縮・緊張亢進に寄り、悪循環の改善とは逆になりやすい。
覚え方:「悪循環は虚血がカギ」→ 刺鍼で血管拡張(NO)。
痛み→筋緊張→虚血→発痛物質…という悪循環では、局所血流改善が重要です。刺鍼によるNO(など)を介した血管拡張・循環改善が、悪循環を断つ方向に働きます。







