解剖学
静脈について正しいのはどれか。
1.奇静脈は腕頭静脈に注ぐ。
2.大伏在静脈は大腿静脈に注ぐ。
3.尺側皮静脈は鎖骨胸筋三角を通る。
4.肝静脈は肝門を通る。
回答→2
【解説】
1.奇静脈は上大静脈の後面に注ぐ。
奇静脈系は後胸壁の静脈を集めて脊柱の両側を縦に走る奇静脈・半奇静脈・副半奇静脈の3本からなる。奇静脈系は門脈系の側副循環路にもなる。
・奇静脈ー脊柱の右側を走行し、右の肋間静脈を集めながら上行して上大静脈の後面に注ぐ。
・半奇静脈・副半奇静脈ー左の肋骨静脈を集めて、最終的に奇静脈に合流。
2.◯大伏在静脈は大腿静脈に注ぐ。
大伏在静脈は足の内側縁の足背、足底静脈綱から始まり、内果の前を通って、下腿、大腿の内側を上行し、伏在裂孔から大腿静脈に入る。
因みに、小伏在静脈は足の外側縁の足背、足底静脈綱から始まり、外果の後方を通って下腿後側を上行し、膝窩静脈に入る。
3.橈側皮静脈は鎖骨胸筋三角(鎖骨下窩、三角筋大胸筋三角、モーレンハイム三角)を通る。
鎖骨胸筋三角は、三角筋前縁、大胸筋外側縁、鎖骨下縁で構成される三角状のくぼみで、橈側皮静脈はここを通過して深部の腋窩静脈に合流する。
また似たような問題で、「三角筋胸筋溝を通過する血管はどれか。」と出題があるが、橈側皮静脈は三角筋前縁と大胸筋外側縁との間にできた三角筋胸筋溝を通過して、腋窩静脈へと注ぐとも言える。
因みに尺側皮静脈は腋窩の下縁付近を通って深部の静脈(上腕静脈や腋窩静脈)に注ぐ。
4.肝動脈は肝門を通る。
肝門を通るのは、門脈、固有肝動脈、総肝管、リンパ管、神経である。肝静脈は肝臓上部後面の無漿膜野より出て、下大静脈に直接注ぐ。
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