臨床医学総論
呼吸機能検査で閉塞性換気障害を示すのはどれか。
1 胸水貯留
2 間質性肺炎
3 肺動脈血栓塞栓症
4 気管支喘息
回答→4
【解説】
拘束性換気障害と閉塞性換気障害を理解しよう。
- 拘束性換気障害ー肺活量が80%以下(コンプライアンスの低下(肺拡散能力低下)により空気を吸えない)
特発性肺線維症、間質性肺炎、胸水貯留、気胸、肺水腫など - 閉塞性換気障害ー1秒率が70%以下(気道の狭窄による通過障害)
気管支喘息、COPD、肺水腫、気管腫瘍など
1 胸水貯留
胸水貯留には様々な原因があり、胸膜の間(胸膜腔)に液体が溜まった状態のことをいう。呼吸時に胸水があると、肺が正常に膨らむことができなくなるため拘束性換気障害となる。
2 間質性肺炎
肺間質を病変の主座とする炎症性肺疾患の総称である。これらのうち原因不明で特定の臨床病理像を示す7疾患が類型化され、特発性間質性肺炎症と分類された。このうち特発性肺線維症は頻度が高い。
3 肺動脈血栓塞栓症
エコノミークラス症候群という名で知られている。足の静脈にできた血栓(深部静脈血栓)が肺に運ばれた結果、肺動脈を詰まらせることが多い。
4◯気管支喘息
気管支の炎症によって粘膜が障害され、神経が露出するため、気道が敏感な状態となり、正常なヒトであれば反応しない刺激でも気管支が過剰に反応してしまう。気管支喘息の特徴は、気道の慢性炎症や狭窄、過敏性の亢進、繰り返し起こる咳、喘鳴、呼吸困難など。