臨床医学各論
感染症とその特徴との組合せで正しいのはどれか。
1 猩紅熱ー精巣腫脹
2 流行性耳下腺炎ーコプリック斑
3 帯状疱疹ー痂皮
4 麻疹ーイチゴ舌
回答→3
【解説】
それぞれの感染症と特徴をみていこう。
1 猩紅熱ー精巣腫脹がみられるのは流行性耳下腺炎
[猩紅熱のポイント] ・A群溶血性連鎖球菌による飛沫感染(現在では極めて少ない感染症) ・潜伏期間は2〜4日 ・全身症状(発熱、嘔吐、咽頭炎など)が急激に発症 ・その12〜24時間以内に紅斑様発疹、そして全身に発赤がみられる。 ・イチゴ舌 ・口内蒼白 ・リウマチ熱や急性糸球体腎炎の続発リスクもあるので、十分な治療が必要。 ・血清学的検査ではASO・ASK(溶連菌の出す外毒素に対する抗体)が高値となる。 |
2 流行性耳下腺炎ーコプリック斑がみられるのは麻疹
[流行性耳下腺炎のポイント] ・ムンプスウイルスによる飛沫感染 ・全身の腺組織、髄膜、内耳などの親和性のある臓器で増殖する。 ・両側性の耳下腺の腫脹(だから「おたふくかぜ」と言われる) ・合併症には無菌性髄膜炎(合併症の中では最多)、膵炎、両側性の難聴(感音性)、精巣炎、精巣上体炎(不妊症の原因となることも)など |
3◯帯状疱疹ー痂皮
[帯状疱疹のポイント] ・水痘は殆どが小児期に感染し発症 ・水痘の治癒後はウイルスが神経節に潜伏 ・それが再活性化によって発症するのが帯状疱疹(免疫力低下による回帰感染) ・三叉神経顔面部、肋間神経胸部の皮膚分節、腰部皮膚分節などにヘルペスを形成 ・発疹も疼痛も必ず片側性 ・ヘルペス(水疱)は膿疹となり最後には痂皮化する。 ・単純ヘルペスは局限的に疱疹、帯状疱疹では支配領域全体に疱疹 ・合併症にはラムゼイハント症候群(膝神経節帯状疱疹)が有名 |
4 麻疹ーイチゴ舌がみられるのは猩紅熱
[麻疹のポイント] [風疹のポイント] |