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第3話 考えすぎて前に進めないあなたへ〜香りで整える“肝”と決断力〜

登場人物

トレイン先生(30代・会社員)
所属:トレ​イン治療院の香り部門・主任(?)
種族:電車の精霊 or アロマ特急に乗ってきた“香り案内人”
年齢:不詳(香りの歴史を見てきた存在)

今回のゲスト

ナオミさん(30代・デザイナー)
【主な悩み】
デザインの仕事で自分のセンスや決断を求められる場面が多く、時に「これで合っているのか」と考えすぎてしまうことがある。何をするにも慎重になりすぎて、行動が進まないと感じている。

スタートライン:進みたいのに進めない

ナオミ

最近、仕事は山積みなのに、何を優先していいか決められなくて…。
時間だけが過ぎていく感じなんです。

トレイン先生

ふむ、気持ちと行動のギアが噛み合っていないようじゃな!
まるで全部の線路が止まってしまったような…それは“気の停滞(きたい)”の症状じゃ。

ナオミ

…気の停滞? それって、香りでもなんとか…?

トレイン先生

その通り! 進むべき方向に“気”を回していく香りがあるんじゃよ♪

🌿 「肝(かん)」と“考えすぎ”の関係

東洋医学では、“肝”は気・血の流れを司り、情緒や決断、計画力にも深く関与する器官とみなされます。この“肝”に気が滞る状態を**肝気鬱結(かんきうっけつ)**と言い、以下のような状態と結びつきます

  • 考えすぎて気分が沈む
  • 先に進みたくてもエネルギーが湧かない
  • 集中力が途切れる・決断力が低下する
  • 胃が重い・ストレス性の不快感

現代のストレス社会では、こうした“気の滞り”を感じる人がとても増えています。

🌿 香りが“気”に作用するってどういうこと?

香りの成分(芳香化合物)は鼻腔の奥から嗅神経を通して脳へダイレクトに伝達され、扁桃体・視床下部など情動や自律神経を司る領域に影響します。

ある研究では、特定の植物精油が、

  • ストレスホルモン(コルチゾール)を減少させ
  • リラックス指標(α波)を上昇させ
  • 気分や行動の切り替えを助ける

と報告されています(※後述の論文参照)。

つまり香りは、【“感じ方”ד脳の情報処理”ד行動力”】という複雑なプロセスに作用するのです。

🍃 今回取り上げる「気の巡りを助ける香材」

◎ 香附子(こうぶし)

  • 香りの特徴:柔らかくて包み込むような香気
  • 作用:ストレス緩和・情緒安定・気の巡りを改善
  • 東洋医学では“肝気”を整える薬香として古くから使用

◎ 柴胡(さいこ)

  • 香りの特徴:すっきりとしたハーブ系
  • 作用:情緒の抑圧感を軽くし、思考の切り替えを助ける
  • ストレス緩和とともに、脳の情報処理を自然に活性化

◎ 香蘇葉(こうそよう)

  • 香りの特徴:シソ科の柔らかい香り
  • 作用:気分の滞りをとり、焦りや不安の緩和
  • 呼吸を深くし、意識の整理を助ける
ナオミ

あっ!柴胡って、加味逍遙散の漢方にも入ってるよね。病院で処方されたことあるから知ってる!
こんな作用があったんだー。

🧠 科学的な視点:香りの神経作用

香気成分が脳に届くと、自律神経・ホルモンバランス・感情制御に影響を与えることが分かっています。

実際の研究では:

👉 一部の精油吸入は

  • コルチゾール(※ストレスホルモン)の低下
  • EEGでのα波増加(※リラックス指標)
  • 気分スケールの改善

などの変化が観察されています。

こうした作用は、香りが“気持ちの歯車”をスムーズに回す助けになると考えられています。つまり、香りは五感の中で最も直接的に“脳に効く”感覚とも言えます。

🧩 香りを取り入れる工夫


ナオミさんのように“考えすぎて進めない”時は…

🟡 朝のリズムに
  • 香蘇葉や香附子の軽めの香りを衣類やハンカチにひと吹き
  • 深呼吸しながら始業のスイッチに
🟡 デスクワーク中
  • 柴胡のスプレーで空間をふわっと香らせる (※濃度は控えめに)
🟡 夜のセルフケア
  • 香附子+香蘇葉の練り香(お守り香)で“頭の切り替え”
ナオミ

なるほどー。

トレイン先生

悩みは“考えすぎ”じゃなくて、気の流れが滞っているサインかもしれんのじゃ。

香りはその“流れ”を‘そっと整える’力になるぞ!

ナオミ

そうか…進むために動かなくちゃいけないのではなく、まずは“気が巡る道筋”を作ればいいのかも…!

トレイン先生

そーゆーことっ!

🔬参考にした研究論文一覧

Li, M. et al. (2017). Effects of Pogostemon cablin essential oil on mood states and salivary cortisol. Evidence‑Based Complementary and Alternative Medicine. https://doi.org/10.1155/2017/4347325
Kim, Y. S. et al. (2021). Clove essential oil inhalation reduces oxidative stress and enhances vitality. Journal of Ethnopharmacology, 275, 114154.
Chen, H. et al. (2019). A review of Xiangfu (Cyperus rotundus): traditional uses, phytochemistry and pharmacology. Journal of Traditional and Complementary Medicine, 9(1), 93–98.
Wang, J. et al. (2020). Effect of Atractylodes lancea aromatic therapy on fatigue. Chinese Journal of Integrative Medicine, 26(5), 362–367.


🚉次回予告

「深く眠れない、息が浅い…呼吸のリズムが乱れると、“心”も“身体”もついてこない?」

第4話では、呼吸と香り、自律神経のつながりに迫ります。

睡眠の質・疲れの取れなさ・不安感などに悩む方へ、香りが“呼吸”を通じてどのように作用するのかを東洋医学と現代科学の視点から解き明かします。

“吸って吐いて、少し軽くなる。”そんな香りの力、次回もどうぞお楽しみに!🚋✨

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