同じ問題を繰り返すと「答えの位置」や「番号」だけを覚えてしまい、理解できているか判断しにくくなるため、
選択肢の並びは表示のたびに入れ替わります(内容の正誤は変わりません)。
問83 【症例】17歳男性。バイクで転倒し搬送。ヘルメット右側に擦過、右肩に外傷あり。右上肢は自動運動ができず、知覚異常もある。意識は清明で歩行可能。脳神経所見に異常なし。
この状況で、診断の助けとして有用性が最も低い検査はどれか。
深掘り問83 解説(外傷×運動/感覚障害:まず“中枢除外+骨/神経評価”)
- 右肩外傷+右上肢の運動不能+知覚異常 → 腕神経叢損傷、頸髄/神経根、鎖骨・肩甲帯の損傷などを幅広く疑う。
- CT:骨折(鎖骨・肩甲骨・肋骨)や頭部外傷の除外に有用。
- MRI:軟部(神経・脊髄・靭帯)評価に強い。
- 筋電図:急性期は情報が出にくいこともあるが、時期をみて神経損傷の程度・部位推定に有用。
- 超音波:局所の腱・筋・関節評価には便利だが、今回の「一次の鑑別(中枢/腕神経叢/骨)」では優先度が下がりやすい。
暗記核:「外傷の一次評価:CT/MRI優先、USは補助」
右上肢の運動・感覚障害からは腕神経叢損傷などが疑われ、骨折評価や中枢損傷除外にCT、軟部・神経評価にMRIが有用です。
筋電図は時期をみて損傷評価に役立つことがあります。一方、超音波はこの病態の一次評価としての有用性は相対的に低くなります。
問84 【同症例】身体所見で、肘屈曲と手関節背屈ができず、手指の屈曲も不能。上肢の骨折・脱臼は認めない。
障害部位として最も考えやすいのはどれか。
深掘り問84 解説(複数神経の“まとめ落ち”=腕神経叢レベル)
- 肘屈曲:筋皮神経(上腕二頭筋など)
- 手関節背屈:橈骨神経(伸筋群)
- 手指屈曲:正中神経+尺骨神経(屈筋群)
- これだけ広いと「単一末梢神経」では説明しにくく、腕神経叢(腋窩周辺〜鎖骨下)での障害を疑うのが自然。
- 上腕部や肘部なら、もっと“特定神経っぽい”麻痺パターンが出やすい。
暗記核:「複数神経が同時にダメ=腕神経叢(腋窩〜鎖骨下)」
肘屈曲(筋皮神経など)、手関節背屈(橈骨神経)、手指屈曲(正中・尺骨神経)まで広く障害されており、
単一末梢神経というより腕神経叢レベル(腋窩付近)での損傷が疑われます。
問85 【症例】30歳男性。右小指のしびれが主訴。手関節の可動域制限はないが、右肘の屈曲可動域は120°。幼少期に右肘骨折の既往あり。
身体所見でみられやすいのはどれか。
深掘り問85 解説(小指しびれ+小児期肘骨折=外反肘→遅発性尺骨神経障害)
- 小指のしびれ=まず尺骨神経領域。
- 小児期の肘周囲骨折(特に上腕骨顆上部など)が背景にあると、成長後に外反肘(cubitus valgus)が残りやすい。
- 外反肘は肘部管で尺骨神経が牽引・刺激され、遅発性尺骨神経麻痺の原因になることがある(いわゆるターナー遅発性麻痺の文脈)。
- 下垂手は橈骨神経、猿手は正中神経の所見で分布が違う。
暗記核:「小指しびれ+小児期肘骨折=外反肘→尺骨神経」
小指のしびれは尺骨神経領域で、幼少期の肘周囲骨折後に外反肘(遅発性尺骨神経麻痺:ターナー遅発性麻痺)が背景になることがあります。
問86 (問85の症例で)障害されている神経として最も考えやすいのはどれか。
深掘り問86 解説(小指=尺骨、肘部管が定番の絞扼ポイント)
- 尺骨神経の感覚:小指+環指尺側。
- 肘周囲の既往+ROM制限もある → 肘部管周囲での絞扼/牽引が起きやすい状況。
暗記核:「小指のしびれ=尺骨神経」
小指のしびれは尺骨神経領域であり、肘部管(肘部)での障害が典型です。
問87 【症例】78歳の肥満女性。以前から腰痛あり。3日前から左膝内側痛が出現し、歩行で痛みが増強して受診。
この症例の評価で、有用性が最も低いのはどれか。
深掘り問87 解説(膝痛+腰痛既往:腰椎由来は見たいが“頸椎”は薄い)
- 高齢+肥満+膝内側痛 → 変形性膝関節症や内側半月板などをまず疑う。
- 腰痛既往があるので、鑑別として腰椎由来(神経根症・狭窄など)も確認したい。
- SLR:坐骨神経痛/腰椎神経根の評価で鑑別に役立つことがある。
- 間欠跛行:血管性/神経性の評価として病歴で重要。
- 膝蓋跳動:膝関節水腫の確認としてローカル評価に有用。
- スパーリングは頸椎神経根症のテストで、膝症状の主評価としては最も関連が薄い。
暗記核:「スパーリング=頸椎」
スパーリングテストは頸椎由来(頸椎症性神経根症など)の評価で、膝痛症例の主評価としては関連が薄いです。
SLRは腰椎神経根症の評価として、腰痛既往がある症例では鑑別に役立つことがあります。
問88 【同症例】運動療法として適切でないのはどれか。
深掘り問88 解説(膝OA想定:負荷を“下げて”継続できる運動が基本)
- 膝内側痛(高齢・肥満)→ 変形性膝関節症を想定すると、基本は疼痛を悪化させない範囲で運動。
- 水中歩行:免荷できて痛みが出にくい。
- 大腿四頭筋強化:膝の安定化に重要。
- 体幹筋:姿勢・歩容の改善に寄与し、全体の負担軽減にもつながる。
- 一方、痛みが増強する状況で長距離歩行を“続ける”は負荷過多になりやすく不適切。
暗記核:「痛いなら“長距離で我慢”は×」
膝内側痛(変形性膝関節症などを想定)では、負荷を減らしつつ筋力や動作を改善する運動が基本です。
長距離歩行で疼痛が増悪するなら不適切となりやすいです。水中歩行や大腿四頭筋訓練は負担軽減に役立ちます。
問89 【症例】55歳男性。夕食でしめさばを食べて就寝。約1.5時間後に強い心窩部痛で覚醒し搬送。下痢なし。
この疾患の発症について正しいのはどれか。
深掘り問89 解説(しめさば後の急性心窩部痛=アニサキス)
- しめさば摂取後、短時間(〜数時間)で強い心窩部痛 → 典型的に胃アニサキス症を疑う。
- 原因は寄生虫(線虫)であり、細菌感染ではない。
- アニサキスは魚介(サバ以外、イカなど)でも起こり得る。
- 予防は加熱や冷凍が基本で、設問の「-20℃で48時間」は予防として押さえる数字系の選択肢。
暗記核:「アニサキス=寄生虫/冷凍で予防」
しめさば後の急性心窩部痛からはアニサキス症が疑われます。アニサキスは寄生虫で、冷凍(-20℃で一定時間)により予防できます。
イカでも起こり得て、再発もあり得ます。
問90 【同症例】この疾患について正しいのはどれか。
深掘り問90 解説(治療は内視鏡で“見つけて取る”が定番)
- 胃アニサキス症の治療は、虫体を内視鏡で確認→摘除する対応が実臨床で行われます。
- アニサキスはアレルゲンにもなり、アナフィラキシーなどのアレルギー反応が起こり得る(「起こらない」は誤り)。
- 必ず胃潰瘍があるわけではない(炎症や浮腫が主体のことも)。
- 寄生虫なので、基本的に抗菌薬(細菌向け)は無効。
暗記核:「アニサキス:内視鏡で除去/抗菌薬じゃない」
胃アニサキス症では内視鏡で虫体を確認し、摘除する治療が行われます。アレルギー反応としてアナフィラキシーを起こすこともあり得ます。
細菌感染ではないため抗菌薬は基本的に無効です。










