同じ問題を繰り返すと「答えの位置」や「番号」だけを覚えてしまい、理解できているか判断しにくくなるため、
選択肢の並びは表示のたびに入れ替わります(内容の正誤は変わりません)。
問171 透熱灸に用いる艾(もぐさ)の性質として適切なのはどれか。
深掘り問171 解説(透熱灸に用いる艾の“良品”の見分け)
透熱灸は「小さな艾炷をしっかり燃やして熱量を出す」ので、艾の品質が燃え方・香り・灰のまとまりに直結します。
- 良質艾=精製度が高い:葉脈などの夾雑物が少なく、繊維が細かく“ふわっ”として成形しやすい。
- 精油成分:ヨモギ由来の香気に関与。燃焼時の“香り”や燃え方の安定に関連づけて覚える。
- 灰分が多いのは不純物や品質低下のイメージ(灰が重く、燃焼後の残渣が多くなりやすい)。
- 黒褐色は酸化・夾雑物混入など“粗悪側”に整理されやすい(良品は淡黄〜黄白色寄りで均一)。
覚え方:「透熱=燃焼勝負 → 夾雑物↓・精油↑」。
“燃えやすく、香りがよく、灰がきれい”が良品の方向性です。
透熱灸には質の良い艾(精製度が高いもの)を用い、燃焼性や香気に関与する精油成分が多いと整理されます。
夾雑物や灰分が多い・黒褐色などは低品質側の特徴です。
問172 次のうち、艾(もぐさ)を使用しないのはどれか。
深掘り問172 解説(艾を“使う灸・使わない灸”の整理)
国試では「名称で材料が推測できるか」を狙ってきます。ポイントは“主体が艾かどうか”。
- ビワの葉灸:ビワ葉を介在させても、熱源として艾を用いる形が基本(= 艾を使う側)。
- ショウガ灸:ショウガを台座にして、その上で艾を燃やす(= 艾を使う)。
- 押灸:押灸器・台座で“艾を燃やす/保持する”整理が基本(= 艾を使う)。
- 紅灸:名称どおり“紅(紅花など)”側の灸法として、艾ではない材料を主に使う枠で問われやすい。
ひっかけ回避:「〜灸=全部艾」ではない。名称から“主役材料”を見抜くクセを付けると強いです。
紅灸は一般に「紅(紅花など)を用いる灸法」として整理され、艾を使わない枠として問われます。
ビワの葉灸・ショウガ灸・押灸は艾を用いる形が基本です。
問173 透熱灸を行う際、合併症リスクの観点から最も注意が必要なのはどれか。
深掘り問173 解説(糖尿病で透熱灸が要注意な理由)
- 末梢神経障害:温痛覚が鈍い → 熱さを感じにくく過量刺激・火傷につながりやすい。
- 末梢循環障害:血流が悪い → 組織修復に必要な酸素・栄養が届きにくい。
- 創傷治癒遅延:有痕になり得る刺激は“傷”扱い。治りにくく、びらん化・潰瘍化リスク。
- 感染リスク:高血糖は免疫機能低下にも関連 → 二次感染が起こると厄介。
実務イメージ:「感じにくい × 治りにくい × 感染しやすい」の三重苦。
国試では“透熱灸=皮膚損傷を作り得る刺激”とセットで押さえると安定します。
糖尿病では末梢循環障害や感覚低下、創傷治癒遅延・感染リスクが問題となり、透熱灸(有痕になり得る刺激)では特に注意が必要です。
問174 透熱灸(有痕になり得る灸)を最も避けるべき経穴はどれか。
深掘り問174 解説(有痕灸を避けたい経穴:露出部・顔面)
有痕灸は瘢痕(痕)が残る可能性があるため、原則「痕が目立つ場所」が最優先で回避対象になります。
- 陽白:前額部(顔面の露出部)。瘢痕が目立ちやすく美容面の不利益が大きい。
- 顔面は皮膚が薄い部位も多く、刺激量のコントロールが難しい(過熱で色素沈着なども問題化)。
- 一方、陽谷・陽池・陽交は上肢/下肢の部位で、露出度・美容面の優先度が相対的に低い。
覚え方:「顔の経穴 × 有痕」=まず避ける。迷ったら“鏡で見える場所”を想像すると正答に寄ります。
陽白は前額部の露出部で、瘢痕が目立ちやすく美容面の問題が大きいため、透熱灸は特に避ける部位として扱われます。
問175 有痕灸の施術部位の消毒として最も適切なのはどれか。
深掘り問175 解説(有痕灸の消毒:やり方の“作法”)
- 施灸前:皮膚表面の汚れ・常在菌対策。感染リスクを下げる“準備”。
- 施灸後:皮膚バリアが乱れ得るため、清潔保持と二次感染予防の“仕上げ”。
- 強い圧でゴシゴシ:皮膚刺激・微小損傷 → かえって炎症を助長し得る。
- 往復清拭:汚れを“戻す”動きになりやすい。基本は一方向(同じ面を使い回さない)。
- 次亜塩素酸ナトリウム:皮膚刺激性の観点で不適になりやすい(器具・環境向けのイメージ)。
国試的まとめ:「前後に消毒」+「やさしく・一方向」が正解の型。
有痕灸は皮膚損傷を伴う可能性があるため、施灸前の清拭に加え、施灸後も清潔を保つ目的で消毒を行うのが基本です。
強い圧や往復清拭は皮膚刺激になりやすく、次亜塩素酸は皮膚への刺激性が問題になり得ます。
問176 熱刺激(温痛覚)情報の主要な伝導路はどれか。
深掘り問176 解説(温痛覚の上行路:外側脊髄視床路)
- 温痛覚(侵害受容)の主経路=脊髄視床路。
- そのうち外側脊髄視床路が「痛覚・温度覚」を担当する整理が王道。
- 腹側(前)脊髄視床路は“粗大触圧覚”などを扱う側に寄せて覚える(= 温痛覚の主役ではない)。
- 外側皮質脊髄路は運動(錐体路)。感覚ではない。
- 網様体脊髄路は姿勢・筋緊張調節など運動系の文脈で出やすい。
覚え方:「痛・温=外側(ラテラル)STT」。運動路(皮質脊髄路)と混ぜない。
温痛覚(侵害受容を含む)は脊髄視床路、特に外側脊髄視床路が主要経路として整理されます。
問177 施灸局所で生じる軸索反射について適切なのはどれか。
深掘り問177 解説(軸索反射=C線維が“末梢で起こす炎症っぽい反応”)
軸索反射は「中枢を介さず、感覚神経末端の枝分かれで起こる局所反応」。灸刺激で見られるフレア反応の理解に重要です。
- 主役はC線維(ポリモーダル受容器を含む)などの侵害受容系。
- 末梢枝からの逆行性伝導で、末端からサブスタンスP / CGRPなどが放出。
- 結果:血管拡張+血漿漏出(=発赤・膨疹っぽい反応)。
- ノルアドレナリンは交感神経の文脈(血管収縮など)で出やすく、軸索反射の主整理とはズレる。
- Aβ線維は触覚(太い・速い)。軸索反射の主役ではない。
覚え方:「軸索反射=C線維が末梢でSP/CGRP→血管反応」。
軸索反射はC線維などの末梢枝からの逆行性伝導により、サブスタンスPやCGRPなどが放出され、血管拡張や血漿漏出(フレア反応)を起こします。
問178 透熱灸による炎症反応で、アナフィラトキシンとして働くのはどれか。
深掘り問178 解説(アナフィラトキシン=補体のC3a/C5a)
- アナフィラトキシンは補体活性化で生じるC3a・C5a(代表)を指す。
- 作用:肥満細胞などを介した反応を促し、炎症反応を“加速”させる方向に働く。
- IgE:Ⅰ型アレルギーで肥満細胞に結合する抗体。アナフィラトキシン“そのもの”ではない。
- ヒスタミン:肥満細胞などから放出されるメディエーター。補体と混ぜない。
- コルチゾール:抗炎症方向(ストレスホルモン)。真逆のイメージ。
覚え方:「アナフィラ“トキシン”=補体(confirm:Complement)」で固定。
アナフィラトキシンは補体系(C3a、C5aなど)として整理されます。肥満細胞脱顆粒などの反応に関与します。
問179 透熱灸で起こる反応のうち、最も早期に生じるのはどれか。
深掘り問179 解説(反応の“時間順”で並べる問題)
「最も早期」は、基本的に“刺激の入口(受容器)”が最優先です。そこから神経反射・血管反応・炎症細胞へ続きます。
- ① 受容器(ポリモーダル受容器など)の興奮:刺激が入った瞬間に起こる。
- ② 局所の血管反応(軸索反射などを介した発赤)
- ③ 温熱感覚の認知:末梢→脊髄→視床→大脳皮質など“上がってから”成立。
- ④ 白血球浸潤:炎症の細胞成分は時間がかかる(“すぐ”ではない)。
コツ:「受容器 → 反射/血管 → 認知 → 細胞」の順に並べる癖をつける。
刺激の入り口として最初に起こるのは受容器(ポリモーダル受容器など)の興奮です。その後に神経反射や血管反応、炎症細胞浸潤などが続きます。
問180 透熱灸で組織損傷部から放出され、末梢性の痛覚過敏に関与する物質はどれか。
深掘り問180 解説(末梢性痛覚過敏:セロトニンなどで侵害受容器が“過敏化”)
末梢性痛覚過敏は「損傷・炎症で出る物質が、侵害受容器の閾値を下げて“痛みやすくする”」現象です。
- セロトニン(5-HT):組織損傷部で増えやすく、侵害受容器の感受性を高める方向に働く。
- 関連して覚える炎症メディエーター:ブラジキニン、プロスタグランジン、ヒスタミン など(“過敏化セット”)。
- NO:血管拡張などで出るが、“損傷部から放出→末梢過敏”の代表格としては問われにくい。
- アドレナリン:全身のストレス反応の文脈が強い。
- アセチルコリン:副交感や神経筋接合部のイメージが強く、ここでは主役になりにくい。
覚え方:「損傷=炎症メディエーター → 末梢過敏」、代表に5-HTを置く。
組織損傷や炎症ではセロトニン(5-HT)などが放出され、侵害受容器の感受性を高めて末梢性痛覚過敏に関与します。







