臨床医学各論
くる病の治療で適切でないのはどれか。
1.ビタミンDの投与
2.運動
3.日光浴
4.副腎皮質ホルモンの投与
回答→4
【解説】
石灰化障害により骨の石灰化が進まず、類骨の割合が増加する疾患で、骨端線が閉鎖する前の成長期の小児ではくる病、成長期を過ぎた成人では骨軟化症という。原因としてはビタミンDの欠乏や代謝異常がある。
[症状]
全体症状としては不機嫌、不安、不眠、発汗、蒼白な皮膚、肝臓や脾臓の腫大、筋弛緩、疲れやすいなどの症状を訴える。
・くる病ー低身長、X脚やO脚、脊柱変形、肋骨念珠、ハリソン溝、骨折、大泉門の閉鎖遅延、頭蓋骨の軟化など
・骨軟化症ー関節痛、腰背部痛、筋力低下、脱力感など
[X線所見]
手関節部の橈骨・尺骨遠位端で骨端線のぼやけ、骨端線拡大、杯状変形像、骨端骨膜突起像
[血液検査]
カルシウム・リンの低下、アルカリフォスファターゼ活性の上昇
※ アルカリフォスファターゼ(ALP)ーほとんどの臓器組織に広く分布する酵素であるが、そのなかでも肝臓、骨、小腸、胎盤などに多くの含まれる。
[治療法]
食事療法、薬物療法(リンやビタミンD内服)、日光浴などがある。
国試的なポイントは骨粗鬆症と骨軟化症の違いは要チェックである。
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