東洋医学臨床論
「69歳の女性。10年前から、めまい発作が頻繁に出現している。耳鳴り及び難聴を伴う回転性のめまい発作で眼振も伴う。」
Q1.めまいの原因として最も考えられるのはどれか。
1 メニエール病
2 突発性難聴
3 前庭神経炎
4 良性発作性頭位めまい症
Q2.めまいは大都への鍼刺激で軽快した。大都について正しいのはどれか。
1 肝経に属する。
2 難経六十九難に基づけば実証で用いる。
3 足内側、第1中足指節関節の近位陥凹部に取る。
4 栄火穴である。
①回答→1
②回答→4
②回答→4
【①解説】
1◯メニエール病
耳鳴、難聴を伴う回転性の眩暈発作が反復する病態。
2 突発性難聴
原因不明に突然発症する高度な片側性の感音難聴の総称。
3 前庭神経炎
激しい回転性の眩暈が突然発症する。めまい、吐き気、冷汗なども伴うが、聴覚の症状は伴わない。
4 良性発作性頭位めまい(眩暈)症
耳石の障害によるもので、頭の位置の変化なよって誘発される(回転性のめまい)のが特徴である。蝸牛症状(難聴、耳鳴)の随伴は無い。
【②解説】
1 大都は脾経に属する。
2 難経六十九難に基づけば虚証で用いる。
3 足内側、第1中足指節関節の遠位陥凹部に取る。
4◯大都は脾経の栄火穴である。
※東洋医学的にメニエール病の治療は、水分代謝の調整を目的に行う。水分代謝は脾・胃・腎の機能と密接な関係があることが知られている。