東洋医学臨床論
次の文で示す患者の病証について治療対象となる経脈で適切なのはどれか。
「7歳の男児。夜間の遺尿がある。食欲不振があり、泥状便が観察される。舌質は淡、脈は沈細弱。
1 手の少陰経
2 手の太陽経
3 足の少陽経
4 足の太陰経
回答→4
【解説】
小児の遺尿(夜尿症)は主に腎虚(腎気不足)によって腎の封蔵と固摂作用が失調し、膀胱が貯尿できず尿が漏れる。しかし選択肢には足少陰腎経は無い。
その他の症状を見ていくと、食欲不振や泥状便は脾気虚によるものであること分かる。脾気虚によって脾気の昇清作用に影響が及ぶと中気下陥(脾気下陥)を生じ、遺尿が起きたとも考えられる。よって答えは足と太陰脾経が治療対象の経脈として最も適切といえる。
淡舌(淡白舌)は気血不足や寒証にみられ、沈脈は裏証、細脈は血虚、弱脈は気血両虚でみられる。