臨床医学各論
筋萎縮性側索硬化症によくみられるのはどれか。
1.感覚障害
2.眼球運動障害
3.膀胱直腸障害
4.筋線維束性れん縮
回答→4
【解説】
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、不明の原因により、進行性に上位および下位運動ニューロンの変性脱落を生ずる疾患である。徐々に全身の筋力が低下し、人工呼吸器を用いなければ、通常は2~5年で死亡することが多く、根治療法は無い。
[症状]
下位運動ニューロン症状 (脊髄前角症状)として四肢・体幹の筋力低下 (弛緩性麻痺)・ 筋萎縮・筋線維束攣縮 (ファスキキュレーション)・ 深部腱反射低下または消失がみられ る。橋・延髄筋群は顔面や舌の萎縮・筋線維束攣縮、挺舌困難、咀嚼・構音・嚥下困難で示される。
上位運動ニューロン症状 (錐体路徴候)として四肢・体幹は、筋力低下 (痙性麻痺)、腱反射亢進・ホフマン反射・伸展足底反応 (バビンスキー徴候60%でみられる)、橋・延髄筋群は、下顎反射亢進・開口困難や仮性球麻痺症状 (下位運動ニューロン症状のない構音・嚥下困難、仮性泣・笑、閉眼失行など)で示される。
また、ALSの問題で出題されやすいのは、この疾患で見られることが少ない症状(陰性症状)についてである。四大陰性症状は、眼球運動障害、感覚障害、膀胱直腸障害、褥瘡である。
参考:東洋療法学校協会 臨床医学各論 P.263
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