臨床医学各論
汎血球減少症をきたすのはどれか。
1.鉄欠乏性貧血
2.腎性貧血
3.溶血性貧血
4.再生不良性貧血
【解説】
このシリーズも頻出ですね。
汎血球減少とは白血球、赤血球、血小板のすべての血球成分が減少した状態をいう。
1.鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血は鉄が欠乏してヘモグロビン合成が障害されて起きる貧血である。一般にある貧血はこれである。
[鉄欠乏性貧血のポイント] |
2.腎性貧血
腎臓が障害されエリスロポエチンの産生が低下したことによって起こる貧血である。
3.溶血性貧血
何らかの原因で赤血球の早期破壊が起こることによる貧血の総称である。先天性のもの(遺伝性球状赤血球症)が70%〜80%を占める。
※よく問われるのは溶血性貧血による黄疸である。過剰な赤血球の溶血により肝臓のグルクロン酸抱合が対応できず、血中には間接ビリルビンが多くなる。(肝前性黄疸)
4.◯再生不良性貧血
再生不良性貧血では多能性幹細胞の障害が原因となって骨髄の低形成、造血細胞の減少、末梢血液の汎血球減少をきたす。汎血球減少は白血球も減少するので、易感染性を伴う。先天性の再生不良性貧血にはファンコニ貧血や先天性角化不全症がある。
[再生不良性貧血のポイント] ※その他にも巨赤芽球性貧血(悪性貧血)がある。赤血球の合成には、鉄、ビタミンB12、葉酸などの造血ビタミンが必要である。 中でも自己免疫疾患によって生じる貧血を悪性貧血と言い、胃酸に含まれる内因子に対する抗内因子抗体がみられる。 |
[貧血の分類](これも出題多)
・小球性低色素性ー鉄欠乏性貧血、サラセミアなど
・正球性正色素性ー急性出血、溶血性貧血、再生不良性貧血、造血器腫瘍による貧血(白血病など)
・大球性正色素性ー悪性貧血、骨髄異形成症候群など
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