第34回 はりきゅう国家試験 総合問題

総合問題(問題83〜90)
※本ページの問題文・選択肢は、学習しやすいように表現を調整しています(パラフレーズ)。
同じ問題を繰り返すと「答えの位置」や「番号」だけを覚えてしまい、理解できているか判断しにくくなるため、
選択肢の並びは表示のたびに入れ替わります(内容の正誤は変わりません)。

問83 【症例】17歳の女子バレーボール選手。スパイク練習の増加後、左下腿中央部の痛みと腫脹を自覚した。左脛骨中央に著明な圧痛があり、エックス線側面像で骨皮質の肥厚を認める。体温は正常で、安静時痛および夜間痛はない。最も考えられる疾患はどれか。

深掘り
問83 解説(脛骨疲労骨折の特徴)
  • 練習量の増加に伴って脛骨の限局した部位に強い圧痛が出ていることから、
    疲労骨折が最も考えられます。
  • 疲労骨折は、一度の強い外力ではなく、
    小さな負荷が繰り返し加わることで骨に微細損傷が生じる障害です。
  • エックス線では、発症初期には異常が分かりにくいことがありますが、
    経過とともに骨皮質の肥厚や仮骨形成がみられます。
  • シンスプリントは脛骨内側縁に沿った広い範囲の圧痛が出やすく、
    疲労骨折では限局した著明な圧痛が特徴です。
  • 類骨骨腫では夜間痛が特徴的で、化膿性骨髄炎では発熱や炎症所見を伴うことがあります。

暗記核:
「練習量増加+限局した脛骨圧痛+骨皮質肥厚=疲労骨折」

問84 【症例】17歳の女子バレーボール選手。スパイク練習の増加後、左下腿中央部に疲労骨折が疑われる痛みと腫脹が出現した。最も適切な対応はどれか。

深掘り
問84 解説(疲労骨折への初期対応)
  • 疲労骨折では、原因となった反復動作や運動負荷を中止し、
    骨への負担を減らすことが基本です。
  • この症例ではスパイク動作の増加が発症の契機となっているため、
    スパイク動作を中止することが最も適切です。
  • 疲労骨折は細菌感染ではないため、抗菌薬は適応となりません。
  • 骨腫瘍ではないため、腫瘍切除も必要ありません。
  • ストレッチングだけを続けて負荷動作を中止しなければ、
    骨折が悪化する可能性があります。

暗記核:
「疲労骨折=原因動作を中止して骨を休ませる」

問85 【症例】66歳の男性。右前頭葉の脳出血後、身体麻痺はなく排泄動作は自立しているが、トイレへ行くこと自体を忘れて失禁することがある。最も考えられる高次脳機能障害はどれか。

深掘り
問85 解説(前頭葉と遂行機能障害)
  • 遂行機能とは、目的を立て、計画し、順序立てて行動し、
    必要に応じて行動を修正する働きです。
  • 前頭葉が障害されると、身体能力が保たれていても、
    行動を開始したり、目的に沿って行動したりすることが難しくなります。
  • この症例では排泄動作そのものはできる一方で、
    トイレへ行くという行動を開始できず失禁しています。
  • 半側空間無視は、反対側の空間に注意を向けにくくなる障害です。
  • 観念失行は、複数の道具を順序立てて使用する動作などが障害される状態です。

暗記核:
「前頭葉=計画・開始・順序・修正=遂行機能」

問86 【症例】右前頭葉の脳出血後、遂行機能障害によりトイレへ行くことを忘れてしまう患者に対し、家族が行う対応として最も適切なのはどれか。

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問86 解説(遂行機能障害への環境調整)
  • 遂行機能障害では、行動の手順を自分で組み立てたり、
    適切なタイミングで開始したりすることが難しくなります。
  • 写真、文字、チェック表などを用いて、
    手順を視覚的に示す方法が有効です。
  • 家族と一緒に手順を確認し、毎日同じ流れで行動できるようにすると、
    混乱を減らしやすくなります。
  • 口頭指示だけでは忘れやすく、情報が残りません。
  • 毎日予定を変えると、かえって行動の見通しを立てにくくなります。

暗記核:
「遂行機能障害=手順を見える化・予定を固定」

問87 【症例】58歳の女性。右肩甲骨内側の痛みと、右前腕橈側から母指・示指にかけてのしびれがある。上肢挙上やボタンかけに異常はなく、下肢症状もない。神経学的所見として正しいのはどれか。

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問87 解説(C6神経根障害)
  • 前腕橈側から母指・示指にかけての感覚障害は、
    主にC6神経根の支配領域に一致します。
  • C6神経根障害では、上腕二頭筋腱反射や
    腕橈骨筋腱反射が減弱することがあります。
  • 指鼻試験は小脳性運動失調を調べる検査です。
  • バレー徴候は軽い錐体路障害を調べる検査です。
  • 下肢症状や巧緻運動障害がないため、頸髄症より神経根症を考えやすい症例です。

暗記核:
「C6=前腕橈側・母指・腕橈骨筋反射」

問88 【症例】右前腕橈側から母指・示指のしびれがあり、C6神経根障害が疑われる患者の筋力評価として最も適切なのはどれか。

深掘り
問88 解説(神経根と筋力低下)
  • C6神経根は、手関節背屈や肘屈曲などに関与します。
  • この症例では上肢の挙上障害がないため、
    三角筋が重度に低下しているとは考えにくいです。
  • ボタンかけに異常がなく、下位頸髄や尺骨神経領域の障害を示す
    小指外転筋力低下も考えにくい所見です。
  • C6神経根障害では、
    手関節背屈力の低下がみられることがあります。
  • MMT2は重力を除けば動かせる程度の著しい筋力低下であり、
    日常動作が保たれている症例には合いにくい設定です。

暗記核:
「C6=肘屈曲・手関節背屈」

問89 【症例】38歳の女性。6か月前のマンモグラフィ検診では異常を指摘されなかったが、入浴時に左乳房の小さなしこりに気づいた。最初に行う検査として最も適切なのはどれか。

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問89 解説(乳房腫瘤の初期検査)
  • 若年女性は乳腺組織が発達しており、
    マンモグラフィでは乳房が高濃度に写って病変を見つけにくい場合があります。
  • 触知するしこりの性状を確認するには、
    乳房超音波検査が適しています。
  • 超音波検査では、腫瘤が嚢胞性か充実性か、
    形状や境界などを確認できます。
  • 腫瘍マーカーは乳房のしこりを最初に診断する検査ではありません。
  • 性ホルモン量測定も、乳房腫瘤の初期評価には用いません。

暗記核:
「若年女性の触知腫瘤=まず超音波」

問90 【症例】38歳の女性。左乳房に新たなしこりを認めた。診断を確定するために行う検査はどれか。

深掘り
問90 解説(乳癌の確定診断)
  • 画像検査で乳房腫瘤が疑われても、
    良性か悪性かを確定するには組織を採取して調べる必要があります。
  • 病理組織検査では、針生検などで採取した組織を顕微鏡で観察します。
  • CT、MRI、PETは、病変の広がりや転移の評価に役立ちますが、
    それだけで確定診断とはなりません。
  • 乳癌の確定診断には、細胞や組織を直接確認することが重要です。

暗記核:
「画像で疑う、病理で確定する」

ABOUT US
koji(トレ​イン治療院 院長)はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧師|国際中医専門員
大阪で治療院を開業して12年。 体は、その人の生き方や時間の積み重ねが静かに現れる場所だと感じています。 中医学を土台に、身体だけでなく心や生活の流れまで含めて整えていく。 そんな治療を大切にしています。 ブログでは、臨床の中での気づきや、体と向き合うための小さなヒントを、自分なりの言葉で書き残しています。 読んだ方の毎日が、少しでも軽くなれば嬉しい。
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