臨床医学各論
中心部の視野欠損や物がゆがんで見える症状が早期から出現する疾患はどれか。
1 白内障
2 ぶどう膜炎
3 緑内障
4 加齢黄斑変性症
回答→4
【解説】
1 白内障
加齢などにより、水晶体の混濁が生じることで光の通り道に濁りが起き、様々な視力障害を生じる疾患。老人性の白内障では、初期の自覚症状は少ないが、進行してくると視力低下や羞明(しゅうめい)、霧視(むし)などが起こる。
2 ぶどう膜炎
ぶどう膜炎はぶどう膜(虹彩、毛様体、および脈絡膜)の炎症と定義される。症状としては、視力低下、眼痛、充血、羞明、飛蚊症などがある。
3 緑内障
眼房水がうまく循環しなくなり、眼圧が高くなった結果、視細胞が変性し、最悪の場合は失明してしまう。著しい眼圧上昇を伴う場合(急性閉塞隅角緑内障など)には眼痛、頭痛、充血、嘔吐、霧視などが認められる。因みに眼圧が上昇しない正常眼圧緑内障もある。緑内障での初期症状は乏しく、進行にしたがって視野狭窄などが現れる。
(緑内障による視野欠損のパターンは、鼻側階段、弓上暗点、求心性狭窄、水平半盲などがある。)
4◯加齢黄斑変性症
加齢黄斑変性(黄斑変性症)は加齢とともに、黄斑に老廃物が蓄積、あるいは黄斑部に新生血管が生じ障害されることで、物が見えにくくなる病気である。変視(物が歪んで見える)や中心暗点(視野の中心付近の見にくさ)を訴えることが多い。