臨床医学各論
特発性側弯症について正しいのはどれか。
1 男性に多い。
2 前屈姿勢で左右の鎖骨の張り出しの差を診る。
3 コブ角は脊椎側面エックス線写真で測定する。
4 早期発見には学校健康診断が重要である。
回答→4
【解説】
側弯症は大きく2つに分類される。
⚫︎機能性側弯症
・可逆性(矯正可能である)
・椎骨に変形はなく、悪い姿勢や脚長差、腰椎椎間板ヘルニアなどによる痛みにより生じる。これらは代償性側弯、疼痛性側弯症という。
・原因因子を取り除けば側弯は軽減、減少する。
⚫︎構築性側弯症
・非可逆性(矯正不可である)
・椎骨の変形や捻れを伴う。
・椎骨の楔状変形や椎体の凸側方向への捻れがある。
・特発性側弯症、症候性側弯症、先天性側弯症などがある。側弯症の70%はこれらである。更に特発性側弯症の中でも思春期側弯症は80%を占め、85%は女子で、右凸胸椎側弯症が多い。
1 女性に多い。
2 前屈姿勢で左右の肋骨の張り出しの差を診る。前屈テストと言ったりアダムテストと言ったりするが、この前屈姿勢によって脊柱を観察 (前屈時の背部隆起=lib hump)、棘突起列の弯曲、肩と肩甲骨の高さの左右差、脇線の左右差などをチェックする。
3 コブ角は脊椎正面と側面のエックス線写真で測定する。このコブ角によって手術の適応を判断する。その他、骨成熟の度合いは腸骨X線像から計測する(リッサー徴候)。
4◯早期発見には学校健康診断が重要である。
※側弯症は装具に関する出題もあるので、抑えておこう。ミルウォーキー装具(ブレース)、アンダーアーム装具(アンダーアーム型ボストンブレース)、などがある。