漢方薬を飲んだことがある方は、こんな経験された事はありませんか?
「効いた! ってほどじゃないけど、なんとなく効いた気がする‥。」
実はこれ、めちゃくちゃ重要な感覚なんです。
なのに、ここで損する人がいます。
「なんとなく」
↓
「つまり、気の持ちよう?」
↓
「じゃあ飲まなくてもいっか。」
あ〜、非常にもったいない😞
今回はこの“なんとなく”の正体を言語化しながら、
をまとめます。
もくじ
1)「なんとなく効いてる気がする」は、むしろ“漢方らしい効き方”
西洋薬って、わかりやすいんです。
熱が下がる、痛みが止まる、咳が止まる。
いわゆる“火消し”。
一方、漢方が得意なのは「火消し」だけじゃなくて、もっと背景側で、
こっちに働きかけることが多いんです。
だから、最初に変わるのは主訴(いちばん困ってる症状)じゃなくて、周辺のことがよくあります。
たとえばこんな順番↓。
→ その結果、主訴(頭痛・肩こりなど)が“じわじわ”軽くなる。
だけど、この「じわじわ」を、こう解釈しがちなんです。
「これって…気のせい?」
ちゃうんです!(違うんです!)
気のせいで済むなら、みんな毎日気のせいで元気になれるはずです。
2)「気の持ちよう=プラセボ?」で切り捨てないでほしい
もちろん、安心感や期待が体に影響することはあります。
でも、ここで短絡的に
「気の持ちようっぽい=漢方の効果じゃない」
にしちゃうのは早いです。
体の変化って、だいたいグラデーションで、
だから、最初に「なんとなく」を感じたら、むしろこう考えてほしい。
効き始めの前兆かもしれない。
ここでやめると、もったいない。
3)どれくらいで効いてくるの?
ざっくり二つに分かれます。
慢性疲労、冷え、むくみ、自律神経のゆらぎ、肌・生理トラブルなど。
背景を整える分、ゆっくりになりがち。
4)どのくらいの期間飲めばいい?
患者さんには、だいたいこんな目安で話します。
そして大事なことは、漢方は「ずっと飲み続ける」が正解とは限らないです。
整ってきたら、減量・変更・終了(卒業設計)も普通にあります。
5)飲むタイミングは?
一般的には「食前/食間」が多いです。
“食間”って「食事中」ではなくて、食後2〜3時間の、胃が空っぽ寄りの時間のことです。
では、なぜ空腹時がいいのか。
理由は大きく2つあります。
西洋医学っぽい理由と、東洋医学っぽい理由で説明しましょう。
西洋医学っぽい理由:要は「食べ物が邪魔をしにくい」から
漢方薬(特にエキス顆粒)は、いろんな成分の集合体です。
胃の中に食べ物があると、単純に
みたいなことが起きやすい、と考えられています。
実際に「空腹時のほうが吸収されやすい」「食事との相互作用を避けやすい」といった説明は、漢方の啓発資料やメーカーFAQでも繰り返し出てきます。
ただ、ここは正直な話、「食前/食間が絶対に優れている」と決着がついているわけではない、という指摘もあります(処方による・エビデンスが限定的、という意味)。
だからこそ現場では「原則は食前/食間。でも続けられる形が最優先」という運用になりやすいんです。
東洋医学っぽい理由:胃腸が“受け取れる状態”のほうが入りやすい、という考え方
東洋医学の言葉で言えば、食事は胃腸(脾胃)にとって“仕事”です。
食べ物が入っている時は、消化吸収という大仕事の真っ最中。
そこに薬を入れるより、胃腸が落ち着いている時(空腹寄り)のほうが、薬のはたらきがスムーズに発揮されやすい——というのが、昔からの感覚です。
(要は“受け取る側の状態”の話です。)
じゃあ結局、いつ飲むのが正解?
一番伝えたいのはコレです。
理想の時間にこだわって飲まないくらいなら、続く時間に固定するほうが強い。
飲み方って、意外と「成分」より「継続」で差がつきます。
しかも漢方は“じわじわ型”も多いので、飲んだり飲まなかったりが一番もったいない。
なので私のおすすめは、
この考え方です。
実際、アドヒアランス(飲み続けやすさ)を優先して、あえて食後を勧める、という臨床側の話もあります。
因みに、エキス顆粒は、お湯に溶かして飲むと飲みやすい&体感が掴みやすい人もいます(“煎じに寄せる”イメージ)。
日本東洋医学会の啓発でも、エキス剤はお湯で溶くのが勧められています。
6)医療用の漢方と、漢方薬局の漢方は何が違う?(値段だけじゃない)
ここは、誤解が多いところでもあり、質問も多いです。
「医療用(保険)の漢方は安い=弱い」
みたいに見られがちですが、話はもう少し複雑です。
むしろ医療用漢方って、“コスパ良すぎ”なくらい優秀な場面も普通にあります。
じゃあ何が違うのかというと、薬の優劣というより “運用の違い” です。
違い①:スタート地点が違う(診断の深さ・時間)
医療機関では、限られた診療時間の中で「今いちばん困ってる症状」に対して、適切で安全な処方を選びます。
保険診療は、初診料・再診料といった枠の中に、基本的な診察や医療提供に必要なコストが“まとめて評価”される仕組みです。だから一人に20〜30分を毎回フルで割く運用は、現実的に難しくなりやすい。
一方で漢方薬局は、かなり時間をかけて
など、“背景”を深掘りして、体質に寄せて組み立てることが多い。
つまり、薬局の強みは 「当てにいく精度を上げる」 ところにあります。
違い②:微調整(加減)のしやすさが違う
医療用漢方は、基本的に「決まった処方(エキス製剤)」を選んでいきます。
もちろん組み合わせや変更はできますが、構造上、“細かい微調整”はやりにくいこともあります。
薬局だと、煎じや調剤で
みたいな 加減(さじ加減) がしやすい。
ここが「効き方が違う」と感じる一番の理由になりやすいです。
違い③:「続けやすさ」の種類が違う
医療用エキス製剤は、手軽で続けやすい。これが強いです。
忙しい人ほど、ここが最重要になります。
逆に煎じは、体感が分かりやすいと感じる人もいますが、手間は増える。
「忙しい→作れない→飲めない」になると、そっちのほうが強烈に効きません(笑)
だから結論は、どっちが上じゃなく、“どっちが今の自分に合うか”。
医療用は「手軽に続けられて、ハマると強い」
薬局は「深掘りと微調整で、当たりを作りやすい」
といったところでしょうか。
では値段の差は何なの?
漢方薬局の漢方が月に数万円になることがあるのは、単に「保険が使えないから」だけではなく、運用コストが価格に含まれているからです。
時間をかけた問診・評価、体質や季節変動を見ながらの調整、そして生薬の仕入れや品質の目利き——こういう“手間ひま”がそのまま価値になります。
医療機関が同じ密度で毎回それをやろうとすると、保険診療の枠組み上、どうしても回らなくなる。
つまり薬局の価格は、「薬代」だけでなく “当てにいく精度を上げるための運用費” が含まれている、という理解がいちばんフェアです。
病院の処方は「症状ベース」?/医師は東洋医学を学ばない?
病院の漢方処方は、現場の運用として「症状・病名から方剤を選ぶ」形になりやすいことがあります。こうした考え方はよく 「病名漢方」 と呼ばれます。
一方で、体質や全身の状態(=証)を立てて処方を組み立てるやり方は 「随証治療」 と言われ、中医学寄りの表現だと 「弁証論治」 に近い考え方です。
もちろん、病院でも随証で丁寧に組み立てる先生はいますし、漢方薬局でも流派やスタイルは様々です。
ただ、保険診療の現場では「短い診療時間の中で、安全に、標準的に」診療を回す必要があるため、結果として病名漢方的な組み立てが増えやすい――というのは起きがちな構造だと思います。
また「医師は学校で東洋医学を全く学ばない」というのも、今の状況としては少し違います。
現在は、漢方を含む東洋医学の内容が 医学教育のモデル・コア・カリキュラム に盛り込まれており、学生が触れる機会そのものは増えてきています。
ただし現実には、大学や教育環境によって学ぶ深さや臨床経験には差が出やすく、結果として“得意な先生/そうでない先生”の幅が大きくなりやすい、という面もあります。
だからこそ、病院の漢方と漢方薬局の漢方は「どちらが上か」ではなく、症状の性質・必要な調整の細かさ・フォローの密度によって、向き不向きが出る——この見方がいちばんフェアだと思います。
7)漢方×鍼灸の相乗効果はあるの?
結論から言うと、私はこの組み合わせはかなり相性がいいと思っています。
理由は「足し算」ではなく、うまくハマると掛け算になりやすいからです。
誤解されやすいので先に言っておくと、鍼灸は「その場の痛みを取るだけ」のものではありません。
もちろん即効性を感じやすい場面はありますが、続け方や刺激の設計によっては、身体が過剰に反応してしまう“クセ”(緊張しやすい、眠りが浅い、冷えやすい、胃腸が乱れやすい…など)に対しても、少しずつ変化が出てくることがあります。
つまり、私の感覚では鍼灸も漢方もどちらも「体質」に関わる。
ただ、アプローチの入口が違うんです。
漢方は、内側から“材料と巡り”を整えていくのが得意です。
胃腸や睡眠、冷え、体液の偏りなど、背景側に働きかけて「戻りにくさ」を作りやすい。
鍼灸は、身体のスイッチ(神経・筋緊張・循環など)に介入して、反応の方向を変えたり、回復モードに入りやすい状態を作ったりするのが得意です。
だから併用すると、「整える」と「動かす」が噛み合って、変化が立ち上がりやすくなります。
具体例①:肩こり・頭痛(“戻りやすい”人ほど相性がいい)
肩こりや頭痛って、鍼灸で軽さが出やすい症状の代表格です。施術直後に「首が回る」「目が開く」みたいな体感が出ることも多い。
でも問題は、その後に戻ってしまう人がいることです。忙しい週、冷えた日、寝不足が続いた日。そういうタイミングで一気にぶり返す。
このタイプは、痛みそのものより「戻りやすい背景」が残っていることが多いです。眠りが浅くて回復できていない、冷えやむくみで循環が落ちている、胃腸が弱って“エネルギーが作れない”、ストレスで交感神経が張りっぱなし…こういう土台があると、鍼で一度ゆるんでも戻りやすい。
ここで漢方を併用すると、狙いが「痛みを消す」から「戻り方を変える」に移ります。
患者さんの言葉が、「楽になった」から「前みたいにドカンと来ない」「波が小さくなった」に変わってきたら、これは体質というより“身体の反応パターン”が変わり始めたサインです。
私はこの変化がいちばん価値が高いと思っています。
具体例②:不眠・胃腸・自律神経(“なんとなく不調”が長いタイプ)
この領域は、そもそも「どこが悪い」と言いにくい。
だから漢方も鍼灸も「効いた!」より「なんとなく良い」の形で始まることが多いです。
たとえば寝つきが悪い、夜中に目が覚める、朝から重い。
胃が落ち着かない、食欲が乱れる。気分が沈みやすい。
こういうとき、鍼灸は“体を回復モードに入れやすくする”助けになります。
呼吸が深くなったり、頭の興奮が落ちたりして、「まず眠れる」方向に寄ることがある。眠れると回復が起きる。回復が起きると胃腸が動く。胃腸が動くと気分が上がる。するとまた眠れる。
この良いループの入口を作るのが鍼灸の強みになりやすい。
一方で漢方は、そのループが続くように“土台”を底上げしていきます。眠りの質、冷え、胃腸、体液の偏り。こういう背景が整ってくると、症状が消える前に、朝の軽さや気分の安定みたいな「周辺の改善」が先に出やすい。
つまりここでも例の現象——「なんとなく良い」が起きます。
これは決して曖昧な話ではなく、むしろ順序として自然なことが多いです。
8)最後に
ここまで読んで、
みたいに迷ったら、遠慮なく相談してください。

治療は、結局「合う形を一緒に探す」が最短です。
(そして“なんとなく”を見逃さないのが、地味に一番大事です)
※本記事は一般的な情報で、個別の治療方針は体質・病状で変わります。症状が強い場合は医療機関も含めて相談してください。
※ 最後まで読んでくださった方へ
今回の合言葉は「合えば効く」です。
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新部のPodcastでも、東洋医学の考え方をできるだけ分かりやすく、日常に落とし込める形でお話ししています。
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急性の胃腸不調、寝つき、こむら返り、張り感など。
「今の状態」に合うと早いです。