第34回 はりきゅう国家試験 きゅう理論

きゅう理論(問題171〜180)
※本ページの問題文・選択肢は、学習しやすいように表現を調整しています(パラフレーズ)。
同じ問題を繰り返すと「答えの位置」や「番号」だけを覚えてしまい、理解できているか判断しにくくなるため、
選択肢の並びは表示のたびに入れ替わります(内容の正誤は変わりません)。

問171 艾の製造工程において、けんどんの用途はどれか。

深掘り
問171 解説(けんどんの役割)
  • 艾の製造では、乾燥したヨモギを裁断・粉砕し、毛茸と夾雑物を分離して精製します。
  • けんどんは、ふるいの作用によって葉柄や葉脈などの夾雑物を落とすために用いられます。
  • 石臼では乾燥したヨモギを粉砕し、毛茸を葉から分離しやすくします。
  • 艾の精製度が高くなるほど、夾雑物が少なく、色は淡く、燃焼温度も穏やかになります。

暗記核:
「けんどん=ふるい分け・夾雑物の除去」

問172 灸術のうち、最も精製度の高い艾を用いるのはどれか。

深掘り
問172 解説(艾の精製度と灸法)
  • 糸状灸では、糸のように細く小さな艾炷を皮膚上で燃焼させます。
  • 艾炷を小さく成形し、燃焼を安定させるため、夾雑物が少なく柔らかい高級艾を使用します。
  • 温灸や隔物灸などでは、皮膚との間に距離や隔物があるため、比較的精製度の低い艾も使用できます。
  • 一般に、直接灸で艾炷が小さいほど、高い精製度が求められます。

暗記核:
「小さな直接灸ほど高級艾」「糸状灸=最高精製度」

問173 焦灼灸について最も適切なのはどれか。

深掘り
問173 解説(焦灼灸の目的)
  • 焦灼灸は、組織を焼灼して破壊することを目的とする灸法です。
  • ウオノメやイボなどの病変部に直接施灸し、病変組織を焼灼します。
  • 艾炷を途中で取り去るのは知熱灸です。
  • 隔物灸は、ショウガやニンニクなどを皮膚と艾炷の間に置く灸法です。
  • 隔物の薬理作用も利用する説明は、隔物灸に当てはまります。

暗記核:
「焦灼灸=ウオノメ・イボを焼灼」

問174 知覚過敏者に対する施灸上の配慮として正しいのはどれか。

深掘り
問174 解説(知覚過敏者への刺激量)
  • 知覚過敏者には、皮膚へ強い熱刺激を加えないように配慮します。
  • 艾条灸は皮膚から離して施灸でき、距離によって温熱刺激を調節できます。
  • 艾炷を大きくする、壮数を増やす、硬くひねると、いずれも熱刺激が強くなります。
  • 患者の反応を確認しながら、温度・距離・施灸時間を調節することが重要です。

暗記核:
「知覚過敏=弱刺激・間接的な艾条灸」

問175 関連痛の発生に最も関与するのはどれか。

深掘り
問175 解説(収束投射説と関連痛)
  • 関連痛とは、内臓などの病変による痛みを、離れた体表部に感じる現象です。
  • 内臓と皮膚からの求心性情報が、脊髄後角の同じニューロンへ収束することが関係します。
  • 広作動域ニューロンは、皮膚・筋・内臓などから幅広い入力を受けます。
  • 脳が内臓由来の入力を体表からの痛みと誤認することで、関連痛が生じると考えられます。
  • マイスネル小体は軽い触覚を受容する機械受容器です。

暗記核:
「関連痛=内臓と体表の入力が後角で収束」

問176 透熱灸後にみられるフレア現象で、最も早期に起こるのはどれか。

深掘り
問176 解説(軸索反射の順序)
  • 透熱灸の熱刺激を受けると、最初に皮膚の侵害受容器が興奮します。
  • その興奮が求心性線維を順行性に伝わる一方、軸索の分枝を逆行性にも伝わります。
  • 末梢神経終末からCGRPやサブスタンスPなどの神経ペプチドが遊離します。
  • その結果、周囲の血管拡張や血管透過性亢進が起こり、フレアや膨隆が生じます。

暗記核:
「受容器興奮→神経伝導→ペプチド遊離→フレア」

問177 透熱灸によって生じる施灸局所の膨隆に、最も関与するのはどれか。

深掘り
問177 解説(CGRPと局所反応)
  • 施灸によって侵害受容器が興奮すると、軸索反射によって末梢神経終末から神経ペプチドが放出されます。
  • CGRPには強い血管拡張作用があり、施灸部周囲の血流増加に関与します。
  • 神経原性炎症では血管透過性も変化し、局所の発赤や膨隆が生じます。
  • ノルアドレナリンやエンドセリンは、一般に血管収縮方向へ作用します。
  • エンケファリンは内因性オピオイドで、主に鎮痛に関与します。

暗記核:
「施灸局所の血管拡張・膨隆=CGRP」

問178 侵害性熱刺激によって生じる発汗に、最も関与するのはどれか。

深掘り
問178 解説(侵害刺激と自律神経反応)
  • 強い熱刺激は侵害受容器を興奮させ、脊髄を経て脳幹へ伝えられます。
  • 延髄網様体は、侵害刺激に伴う発汗や循環変化などの自律神経反応に関与します。
  • 脊髄前角は体性運動ニューロンの細胞体が存在する部位です。
  • 楔状束核と内側毛帯は、主に精細触覚・振動覚・深部感覚の伝導に関係します。

暗記核:
「侵害刺激による発汗・自律反応=延髄網様体」

問179 施灸によって血圧上昇を生じる反射の遠心路を構成するのはどれか。

深掘り
問179 解説(交感神経節前線維)
  • 施灸による侵害刺激は、自律神経反射を介して交感神経活動を高めることがあります。
  • 交感神経の興奮によって血管収縮や心拍数増加が起こると、血圧が上昇します。
  • 自律神経節前線維は、有髄のB線維に分類されます。
  • Aα線維は骨格筋運動や深部感覚、Aβ線維は触圧覚、Aδ線維は速い痛みなどを伝えます。

暗記核:
「自律神経節前線維=B線維」

問180 施灸局所の皮膚血流を増加させる、血管内皮細胞由来の物質はどれか。

深掘り
問180 解説(内皮由来弛緩因子)
  • NO(一酸化窒素)は、血管内皮細胞から産生される血管拡張物質です。
  • NOは血管平滑筋へ作用し、細胞内の環状GMPを増加させて平滑筋を弛緩させます。
  • 血管が拡張することで、施灸局所の皮膚血流が増加します。
  • VIPは神経ペプチド、サブスタンスPは感覚神経終末由来の神経ペプチドです。
  • ブラジキニンは組織損傷などで生じ、疼痛や血管透過性亢進に関与します。

暗記核:
「血管内皮由来の血管拡張物質=NO」

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koji(トレ​イン治療院 院長)はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧師|国際中医専門員
大阪で治療院を開業して12年。 体は、その人の生き方や時間の積み重ねが静かに現れる場所だと感じています。 中医学を土台に、身体だけでなく心や生活の流れまで含めて整えていく。 そんな治療を大切にしています。 ブログでは、臨床の中での気づきや、体と向き合うための小さなヒントを、自分なりの言葉で書き残しています。 読んだ方の毎日が、少しでも軽くなれば嬉しい。
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