東洋医学臨床論
次の文で示す患者の経脈病証を原絡配穴法で治療する場合、主証で選穴するのはどれか。
「28歳の男性。2か月前から上歯痛や鼻出血、腹鳴がみられるようになり、昨日から舌根部や心窩部が痛み、食事をすると嘔吐するようになった。」
1 公孫
2 太白
3 衝陽
4 豊隆
回答→3
【解説】
まず原絡配穴法とはから。
そもそも鍼灸治療で用いる経穴には組み合わせて用いる場合が多く、その組み合わせ方によって遠近配穴法、前後配穴法、兪募穴配穴法、上下配穴法、左右配穴法、表裏配穴法、原絡配穴法などがある。
そして原絡配穴法にも表裏経原絡配穴と同経原絡配穴法などがある。
・表裏経原絡配穴(主客配穴法)
ある経脈の病証には、その経絡の原穴を選択し、それに表裏経の絡穴を組み合わせて用いる。また先に現れた病を「主」後から現れた病を「客」としたりする。
・同経原絡配穴法
表裏に関係なく、同経の原穴と絡穴を組み合わせる。
問題文では主証で選穴するのはどれか。となっているので、表裏経原絡配穴(主客配穴法)であろうと考えられる。そして「上歯痛、鼻出血、腹鳴」は足陽明胃経の病証であるため、その経絡の原穴(主)である衝陽と、表裏経である足太陰脾経の絡穴(客)である公孫を用いる。