臨床医学各論
失明の原因となるのはどれか。
1 痛風
2 骨形成不全症
3 糖尿病
4 脂質異常症
【解説】
1 痛風
血清尿酸値が7.0mg/dl以上を高尿酸血症とする。8.5mg/dl以上になると痛風の発症する確率が高くなる。通風発作では母趾基関節 (第1中足趾節間関節)の発赤、熱 感、激痛が特徴である。そのほか尿管結石を合併しやすく、腰痛、背部痛を起こす。さらに動脈硬化症を併発しやすい。重症の痛風では、関節破壊と腎不全が進行する。痛風患者では心疾患、脳血管障害を合併することが多く、予後を左右する。
2 骨形成不全症
骨のびまん性の異常な脆弱性を生じる遺伝性のコラーゲンの障害で、4つの主な病型がある。感音難聴、青色強膜、象牙質形成不全、関節の過可動性を伴うこともある。
3◯糖尿病
糖尿病の3大合併は必須で覚えよう!糖尿病により高血糖が続くと血管障害が生じる。中でも細小血管の障害による合併症が以下である。
・糖尿病性腎症
続発性ネフローゼ症候群の一つである。進行すれば腎不全となる。
・糖尿病性網膜症
初期には目のかすみや点状出血が起こり、さらに視野狭窄、眼底出血、視力障害などが出現。
・糖尿病性神経障害
足に潰瘍や壊疽を起こすことがあり、その場合は下肢切断に至ることも多い。
4 脂質異常症
脂質異常症とは、血液中のLDLコレステロール(140mg/dl以上)、中性脂肪(150mg/dl以上)(トリグリセライド)のいずれかが基準値より高いか、HDLコレステロール(40mg/dl未満)が基準値より低い状態のことである。
脂質異常症は原発性と続発性(二次性)に分類され、原発性は、遺伝性・家族性であり、二次性は食事内容、とくに動物性脂肪の摂取量が多い場合が一般的である。糖尿病、肥満、甲状腺機能低下症、腎炎、アルコール多飲、ステロイド・β遮断薬・サイアザイド系利尿薬の内服などで生じることもある。
※問題としては簡単であるが、それぞれの疾患も理解しておこう!