東洋医学臨床論
次の文で示す患者の病証に伴う随伴症状として最も適切なのはどれか。
「72歳の男性。主訴は喘息。冬になると症状が増悪する。少し動くだけで息切れが起こる。手足は冷たく、痰は希薄で白っぽい。舌質は淡白、脈は弱。」
1 便秘
2 不眠
3 多尿
4 手足心熱
回答→3
【解説】
臨床的な問題になると、深追いをしすぎたり、推測をしすぎたりして、どの選択肢も起こり得ると考えがちになるが、弁証論治ができれば適切な随伴症状を選択しやくすなる。
まず患者は高齢であり、主訴は喘息。とりあえず(国試的に)肺か腎に病位があると推測できる。
[ポイントを抑えよう]
寒さで症状が悪化する、手足が冷たい(手足厥冷) → 陽虚
淡白舌→ 寒証、気血不足
息切れ→ 肺、腎
弱脈→ 気血両虚
この患者は肺腎気虚(腎不納気)であり、陽虚に傾むいた状態ではないだろうか。
1 便秘→ 起こるかもしれないが、最も適切とは言えない。
2 不眠→ 心神に影響が及ぶ場合。国試的には心の病と考えて良いと思う。
3◯多尿→ 気虚(気の固摂作用低下)、腎陽虚などで現れる。
4 手足心熱→ 虚熱によるもの
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