臨床医学各論
分離すべり症について正しいのはどれか。
1 高齢者に好発する。
2 腰椎の後弯が増強する。
3 下部腰椎に起こる頻度が高い。
4 棘突起に病変がみられる。
回答→3
【解説】
まず名前を整理しよう。
・腰椎分離症→ 椎間関節基部の骨が分離する病態。
・腰椎分離すべり症→ 分離症が進行して椎骨が前方にずれる病態。
このようにすべり症の前には分離症があるわけだが、分離症は骨の成熟期でのスポーツ活動に起因するケ ースが多く、疲労骨折が原因ではないかという説がある。
腰椎分離症の病態生理は、椎弓の上下関節突起間部の骨が分離した状態で、背屈をすると痛みなどの症状が増強(ケンプ徴候陽性)することが多い。
1 成人期に好発する。少年期に起こした分離症が骨癒合せずに偽関節状態となり、不安定なまま成人期(40代に高確率@)になるにつれて前方へ徐々にずれ、すべり症へと進行する。
2 脊柱の所見では腰椎の前弯が増強する。すべり症の場合は視診または触診で階段状変形が認められる。
3◯下部腰椎に起こる頻度が高い。
4 椎弓に病変がみられる。X線診断ではテリアネックサインが見られる。