臨床医学各論
失語症の分類で、自分の考えていることを言語でうまく表現できず、発話が非流暢的で、復唱も障害されるのはどれか。
1 感覚性失語
2 伝導失語
3 運動性失語
4 全失語
回答→3
【解説】
1 感覚性失語(ウェルニッケ失語)
感覚性言語中枢であるウェルニッケ野が障害されることにより、言語の理解が困難になる失語である。発語は流暢であるが錯語が多く、患者間で差はあるものの多弁となることが多い。
2 伝導失語
伝導失語は弓状束の障害によるとされ、発語は基本的に流暢で理解もある反面、多量の音韻性錯誤が目立ち、復唱が障害され読み書きも不良となる。
3◯運動性失語(ブローカー失語)
運動性言語中枢であるブローカ野が障害されることにより、言語の出力が困難になる失語である。発語は非流暢となり自発語のみならず、呼称や復唱、音読などでもみられるほか、通常書字も障害される。
4 全失語
すべての言語能力が重度に障害された状態である。